将来推計人口(2050年まで)

川崎の人口は、2045年まで増え続けます。

このページの要点

① ピークは2045年、161万179人。2020年の153万8,262人から7万1,917人増えてから、ゆるやかに減りはじめます。

② 2050年でも2020年の104.4%。これは政令指定都市20市で1位です。2050年に2020年を上回るのは川崎市・さいたま市・福岡市の3市だけ。最下位の北九州市は77.6%まで減ります。

③ 推計は6年で大きく変わりました。2017年の推計では「2035年ピーク、2045年に154万9,981人」。最新の2023年推計では2045年に161万179人——+6万198人の上方修正です。

これから30年、人口はどう動くか

実績(1980年〜2020年)と推計(2025年〜2050年)

実線が国勢調査の実績、破線が令和5年推計、点線が平成30年推計

読み方:青い実線が実績です。1980年の104万人から2020年の154万人へ、40年で50万人増えました。
赤い破線が最新の令和5年推計。2045年の161万179人でピークを迎え、2050年に160万5,531人へわずかに減ります。
灰色の点線は6年前の平成30年推計。こちらは2035年の156万6,780人がピークで、2045年には154万9,981人まで減る見通しでした。6年で見通しが大きく変わったことがわかります。

出典:総務省「社会・人口統計体系 市区町村データ」(原典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」、総務省「国勢調査」)をもとに作成

2つの推計は、どれだけ違うか

令和5年推計 − 平成30年推計(人)/両方に値がある年だけ表示

読み方:差はすべての年でプラス、しかも先の年ほど大きくなります。2025年で−1万879人、2030年で+5,410人、2035年で+2万5,910人、2040年で+4万4,588人、2045年で+6万198人。
推計の前提となる出生率・移動率が見直された結果です。コロナ禍を経ても川崎への人口流入が続いたことが、最新推計に反映されています。
ただし2025年だけはマイナス。直近の実績が旧推計を下回ったことを示しています。短期は下振れ、長期は上振れという形です。

出典:総務省「社会・人口統計体系 市区町村データ」(原典:社人研「日本の地域別将来推計人口」)をもとに作成

政令指定都市20市のなかで

2050年の人口は、2020年の何%か

令和5年推計の2050年人口 ÷ 令和2年国勢調査の実績/100%の線を点線で表示

読み方:川崎市は104.4%で20市の1位。30年後も人口が増えている数少ない大都市です。
100%を超えるのは川崎市(104.4%)・さいたま市(101.2%)・福岡市(100.6%)の3市だけ。残り17市はすべて減ります。
最下位は北九州市の77.6%。93万9,029人から72万8,898人へ、21万人以上減る見通しです。新潟市78.1%、静岡市78.8%、堺市79.1%が続きます。
横浜市も93.6%と減少側。神奈川県内でも川崎市の位置は特別だといえます。

出典:総務省「社会・人口統計体系 市区町村データ」(原典:社人研「日本の地域別将来推計人口」、総務省「令和2年国勢調査」)をもとに作成

7区の未来はそろっていない

区別の将来推計人口(2025年〜2050年)

令和5年推計/線をクリックすると表示・非表示を切り替えられます

読み方:7区のうち6区は2050年まで人口を保ちますが、多摩区だけが減ります(2025年22万4,423人 → 2050年21万9,860人、−2.0%)。
もっとも増えるのは中原区の+9.2%(+2万4,397人)。次いで幸区+8.5%、高津区+6.4%。南部・中部の伸びが続く見通しです。
宮前区は+0.3%とほぼ横ばい。「7区データ図鑑」で見たとおり、宮前区は高齢化が進みつつある区です。

出典:総務省「社会・人口統計体系 市区町村データ」(原典:社人研「日本の地域別将来推計人口」)をもとに作成

区別のピーク年と、2025年→2050年の変化

棒が変化率(%)、ラベルが人口のピークを迎える年

読み方:ピークを迎える年は区によって15年の開きがあります。多摩区が2035年でもっとも早く、幸区は2050年になってもまだ増え続けています。
川崎区・中原区・高津区・麻生区は2045年ピーク、宮前区は2040年ピーク。川崎市全体のピークが2045年なのは、この4区が押し上げているからです。

出典:総務省「社会・人口統計体系 市区町村データ」(原典:社人研「日本の地域別将来推計人口」)をもとに作成

解説:まだ20年、増える

ピークは2045年

国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が2023年に公表した「日本の地域別将来推計人口」によると、川崎市の人口は2045年に161万179人でピークを迎えます。

2020年の実績が153万8,262人ですから、これから25年で7万1,917人増える計算です。減りはじめるのはその後で、2050年でも160万5,531人。ピークからの減少は4,648人にとどまります。

日本全体の人口が2008年をピークに減り続けていることを思えば、2045年まで増え続けるという見通しは異例です。

20市で唯一の1位

2050年の人口を2020年と比べると、川崎市は104.4%。政令指定都市20市で1位です。

100%を超えるのは川崎市・さいたま市(101.2%)・福岡市(100.6%)の3市だけ。残る17市はすべて2020年を下回ります。

減少幅が大きいのは北九州市77.6%、新潟市78.1%、静岡市78.8%、堺市79.1%。北九州市は30年で21万人減る見通しで、これは静岡市の人口の3分の1にあたります。

隣の横浜市も93.6%と減少側です。377万7,491人から353万7,253人へ、24万238人の減少。神奈川県内でも川崎市の位置は特別だといえます。

「政令指定都市20市 データ比較」のページで見たとおり、川崎市は平均年齢が20市で最も若い都市です。若い人口構造が、そのまま将来の人口を支える構図になっています。

推計は6年で書き換わった

興味深いのは、推計そのものが大きく変わったことです。

2017年に公表された前回推計(平成30年推計)では、川崎市の人口は2035年の156万6,780人でピークを迎え、2045年には154万9,981人まで減る見通しでした。

これが2023年の推計では、ピークが2045年へ10年後ろ倒し。2045年の人口も+6万198人の上方修正です。

差は先の年ほど大きくなります。2030年で+5,410人、2035年で+2万5,910人、2040年で+4万4,588人、2045年で+6万198人。コロナ禍を経ても川崎への人口流入が続いたことが、推計の前提となる移動率に反映された結果です。

ただし2025年だけは−1万879人と下振れしています。短期は下方修正、長期は上方修正。この形は、直近の増加ペースがやや鈍る一方で、長期の流入トレンドは強いと見込まれていることを意味します。

裏を返せば、推計は変わりうるということでもあります。6年で6万人動いたのですから、次の推計でまた変わる可能性は十分にあります。

多摩区だけが減る

7区に分けると、未来はそろっていません。

もっとも増えるのは中原区で+9.2%(2025年26万4,595人 → 2050年28万8,992人、+2万4,397人)。次いで幸区+8.5%、高津区+6.4%、川崎区+5.3%、麻生区+4.8%。

宮前区は+0.3%とほぼ横ばい。そして多摩区だけが−2.0%と減少します(22万4,423人 → 21万9,860人)。

ピークを迎える年にも差があります。多摩区が2035年でもっとも早く、宮前区が2040年、川崎区・中原区・高津区・麻生区が2045年。幸区にいたっては2050年になってもまだ増え続けています。区の間で15年の開きです。

多摩区は市内で唯一、1995年から2020年にかけて人口が減った時期を持つ区でもあります。「7区別 人口と人口密度」のページで見たとおり、大学や単身向け住宅が多く、人の入れ替わりが激しい区です。その構造が将来推計にも表れています。

中小企業への示唆

1. 「人口減少だから縮小」という前提は、川崎では当てはまらない——全国の議論をそのまま持ち込むと判断を誤ります。少なくとも20年は市場が広がり続ける見通しです。設備投資や出店の判断はこの前提で組めます。

2. ただし2045年には転換点がくる——いま30代の経営者が60代になる頃です。長期の事業計画には、増加の終わりを織り込むべきタイミングが必ず来ます。

3. 多摩区は別扱いで——7区で唯一減る区、しかもピークが2035年と最も早い。多摩区に依存した事業モデルは、他区への展開を早めに検討する価値があります。

4. 中原区・幸区が伸びしろの中心——+9.2%、+8.5%。「7区別 人口と人口密度」で見たとおり、この2区は人口密度も市内トップクラスです。密度が高く、かつこれからも増える——出店や配送の効率がもっとも良いエリアです。

5. 増えるのは「人数」であって「働き手」とは限らない——人口が増えても高齢化は進みます。「高齢化率・年少人口比率」のページと合わせて読む必要があります。

データの注意点

推計は国立社会保障・人口問題研究所(社人研)「日本の地域別将来推計人口」によるものです。「令和5年推計」は2020年国勢調査を出発点に、2050年までを推計しています。「平成30年推計」は2015年国勢調査を出発点に、2045年までを推計したものです。

推計は予測ではありません。過去の出生・死亡・移動の傾向がこのまま続いたらどうなるか、という計算です。大規模な再開発、企業の移転、政策の変更などがあれば、実際の人口は推計から外れます。前回推計と今回推計で6万人動いたことが、その何よりの証拠です。

推計値は5年刻みで、間の年は示されていません。2020年の値は令和5年推計には含まれないため、グラフでは国勢調査の実績値をつないでいます。

7区の推計人口の合計は、市の推計人口と一致することを確認しています(2050年で160万5,531人)。