このページの要点
① 2024年の人口は153万5,141人(日本人147万9,291人+外国人5万5,850人)。世帯数は75万8,632。1世帯あたりは1.95人で、ついに2人を割りました。
② 2020年からの増加1万3,579人のうち、1万447人が外国人。増加分の77%です。日本人は3,132人(+0.2%)しか増えていません。
③ 外国人は11年でほぼ倍増しました。2013年の2万9,342人から2024年の5万5,850人へ+90.3%。この伸びは政令指定都市20市で7位です。
毎年の人口と世帯数
人口と世帯数の推移(2000年〜2024年・川崎市)
各年1月1日現在/棒が人口、折れ線が世帯数
日本人人口(青)は2000年の123万896人から2024年の147万9,291人へ、24年で24万8,395人(+20.2%)増えました。
世帯数(緑の線)は54万7,092から75万8,632へ+38.7%。人口の伸び(+20.2%)の2倍近いペースです。世帯の小規模化が進んでいます。
出典:総務省「社会・人口統計体系 市区町村データ」(原典:住民基本台帳)をもとに作成
1世帯あたり人員は、ついに2人を割った
日本人人口 ÷ 日本人世帯数(人)
2022年に2.00人を割り込みました。市民ひとりあたりが暮らす世帯の平均が、ついに2人未満になったということです。
単身世帯の増加と、高齢の夫婦のみ世帯・単身世帯の増加が同時に進んでいます。「世帯構成の変化」のページと合わせてご覧ください。
出典:総務省「社会・人口統計体系 市区町村データ」をもとに作成
増えているのは誰か
日本人と外国人の推移(2013年〜2024年)
棒が人数、折れ線が外国人の割合
2020年〜2021年はコロナ禍の入国制限で一時的に減りましたが、2022年から急回復しています。
いっぽう日本人は2020年の147万6,159人から2024年の147万9,291人へ、4年でわずか3,132人(+0.2%)の増加。川崎の人口増を支えているのは外国人だという構図が、はっきり出ています。
出典:総務省「社会・人口統計体系 市区町村データ」をもとに作成
2020年→2024年の増加を分けると
4年間の増加人数(人)
「将来推計人口」のページで見たとおり、社人研は川崎市の人口が2045年までに161万人へ増えると推計しています。その前提には、外国人を含む社会増の継続があります。
出典:総務省「社会・人口統計体系 市区町村データ」をもとに作成
政令指定都市20市のなかで
外国人の割合(2024年)
外国人人口 ÷ 総人口/川崎市を濃い色で表示
横浜市(3.38%)、さいたま市(2.57%)、相模原市(2.86%)と比べると、首都圏のなかでは川崎市が高いほうにあたります。
出典:総務省「社会・人口統計体系 市区町村データ」をもとに作成
7区でどう違うか
区別の外国人人口と割合(2024年)
棒が人数、菱形が区の人口に占める割合
川崎区の外国人1万9,924人は、市内の外国人の35.7%にあたります。7区のうち1区に3分の1以上が集中していることになります。
次いで幸区4.00%。北部(麻生区2.19%、宮前区2.18%)は市平均を下回ります。
出典:総務省「社会・人口統計体系 市区町村データ」をもとに作成
解説:増加の中身が変わった
毎年の数字がわかるという価値
「人口の推移」のページで扱った国勢調査は5年に1度です。そのため、間の4年に何が起きたかはわかりません。
住民基本台帳なら毎年の数字が取れます。2024年1月1日現在で、川崎市の人口は153万5,141人(日本人147万9,291人+外国人5万5,850人)、世帯数は75万8,632でした。
増えた人の8割近くが外国人
このページのもっとも重要な発見は、人口増加の中身が変わったことです。
2020年から2024年にかけて、川崎市の人口は1万3,579人増えました。その内訳を見ると——
外国人が1万447人(増加分の77%)。日本人は3,132人(23%)。
日本人人口の伸びは4年で+0.2%。ほぼ横ばいです。「人口の推移」のページで見た、1980年から2020年にかけての年平均1万2,000人ペースの増加とは、まったく違う姿です。
川崎市の人口はまだ増えている。しかし、増やしているのは日本人ではない。これが2020年代の川崎の実態です。
外国人は11年でほぼ倍増
外国人人口は2013年の2万9,342人から2024年の5万5,850人へ、11年で+90.3%。ほぼ倍になりました。
割合も2.05%から3.64%へ。市民27人に1人が外国人という計算です。
途中、2020年から2021年にかけては減少しました。コロナ禍の入国制限によるものです。しかし2022年から急回復し、2022年の4万6,701人から2024年の5万5,850人へ2年で9,149人増えています。
政令指定都市20市のなかで見ると、川崎市の割合3.64%は7位。1位の大阪市(6.81%)、2位の京都市(4.46%)、3位の名古屋市(4.36%)には及びませんが、横浜市(3.38%)、さいたま市(2.57%)より高い水準です。
2013年からの伸び率で見ると、川崎市の+90.3%は20市で7位。1位の熊本市(+144.0%)、2位の札幌市(+119.2%)ほどではありませんが、もともと外国人が多かった都市(大阪市+62.7%、神戸市+39.3%)と比べれば高い伸びです。
川崎区に3分の1が集まる
市内の分布は極端に偏っています。
川崎区の外国人人口は1万9,924人、区の人口の8.52%。市平均(3.64%)の2.3倍です。もっとも低い宮前区(2.18%)とは3.9倍の差があります。
市内の外国人5万5,850人のうち1万9,924人、35.7%が川崎区に住んでいます。7区のうち1区に3分の1以上が集中していることになります。
川崎区には歴史的に在日コリアンのコミュニティがあり、また臨海部の製造業・物流業の労働需要があります。「昼間人口と夜間人口」で見たとおり、川崎区は7区で唯一昼夜間人口比率が100を超える区。働く場所がある区に、働きに来る人が住むという自然な結果です。
次いで幸区4.00%。北部の麻生区2.19%、宮前区2.18%は市平均を下回ります。
世帯は小さくなり続けている
もうひとつの変化は世帯です。
世帯数は2000年の54万7,092から2024年の75万8,632へ、24年で+38.7%。同じ期間の日本人人口の伸び(+20.2%)の2倍近いペースです。
結果として1世帯あたり人員は2000年の2.25人から2024年の1.95人へ。2022年に2.00人を割り込みました。
川崎市の平均的な世帯は、もはや「2人」ではありません。単身世帯と、夫婦のみ・ひとり親の小世帯が主流です。「世帯構成の変化」のページで見た単独世帯の増加が、この数字の背景にあります。
中小企業への示唆
1. 「日本人の顧客」は、もう増えていない——直近4年の日本人増加は+0.2%。市場の自然な拡大は、実質的に止まっています。「人口が増えているから売上も伸びる」という前提は、2020年代には成り立ちません。
2. 増えているのは外国人と、単身世帯——この2つが川崎の成長分です。多言語対応、小容量パッケージ、単身向けサービス。伸びる市場はこの方向にあります。
3. 川崎区は外国人が12人に1人——8.52%。飲食、小売、不動産、人材。この区で商売をするなら、多言語対応は「あれば良い」ではなく「必要」の水準に入っています。
4. 採用の現実解でもある——「就業者数・失業率・女性就業」で見たとおり、川崎市の失業率は20市で最低。日本人の労働力は逼迫しています。外国人が11年で倍増したという事実は、採用戦略として無視できません。
5. 1世帯1.95人という前提で商品を組む——4人family向けのサイズ設計は、川崎の平均世帯には大きすぎます。食品、家具、住宅、レジャー。世帯人員2人未満を標準に考えるべき段階です。
データの注意点
数値は各年1月1日現在の住民基本台帳によるものです。国勢調査(10月1日現在、実際に住んでいる人を調べる)とは調査時点も対象も違うため、数字は一致しません。住民登録をしていない人は含まれず、登録したまま実際には住んでいない人は含まれます。
外国人が住民基本台帳に含まれるようになったのは2012年7月からです。それ以前は外国人登録制度で別に管理されていたため、外国人人口は2013年以降しか取れません。総人口(日本人+外国人)も2012年以降です。
世帯数は日本人世帯のみの数字です。したがって1世帯あたり人員も日本人人口÷日本人世帯数で計算しています。外国人を含めた世帯数は、この統計では取れません。
e-Statに収録されているのは年1回(1月1日現在)の数値です。川崎市自身は毎月の推計人口を公表していますので、月ごとの動きが必要な場合は川崎市の統計情報をご覧ください。