川崎市の外国人住民

40年で4.5倍。市民の40人に1人が外国人になりました。

このページの要点

① 40年で4.5倍に増えた。1980年の8,532人から2020年の38,482人へ。総人口に占める割合は0.82%から2.50%になりました。

② 政令指定都市20市で5位。1位の大阪市(4.42%)、2位の名古屋市(2.98%)、3位の浜松市(2.83%)に次ぐ水準です。

③ 川崎区だけ突出して高い。区別では川崎区5.64%に対し、宮前区は1.45%。3.9倍の差があります。

40年間の推移

外国人人口と総人口比の推移(1980年〜2020年)

棒が外国人人口(左軸・人)、折れ線が総人口に占める割合(右軸・%)

読み方:1980年代はほぼ横ばいでした。増加が始まるのは1990年前後——入管法改正(1990年)で在留資格が整理された時期と重なります。
1995年に1.33%へ上がったあと、2000年代前半は伸びが止まります。大きく増えたのは2005年以降で、2005年1.43%から2020年2.50%へ。15年で1.07ポイント上昇しました。
2015年に一度下がっているのは、この時期の在留資格制度の変更や統計の取り方の影響と考えられます。

出典:総務省「社会・人口統計体系(A 人口・世帯)」(国勢調査)をもとに作成

政令指定都市20市のなかで

外国人比率ランキング(2020年)

外国人人口 ÷ 総人口/川崎市を濃い色で表示

読み方:川崎市は2.50%で20市中5位。上位は大阪市(4.42%)、名古屋市(2.98%)、浜松市(2.83%)と続きます。
浜松市が上位に来るのは製造業の集積によるもので、川崎市も臨海部に工業地帯を抱える点で共通します。大都市の中心部か、製造業の集積地か——外国人比率が高い都市は、おおむねこのどちらかです。

出典:総務省「社会・人口統計体系(A 人口・世帯)」をもとに作成

7区でどう違うか

区別の外国人比率(2020年)

点線は市平均(2.50%)

読み方:川崎区の5.64%が突出しています。市平均2.50%の2.3倍、最低の宮前区(1.45%)とは3.9倍の差です。
川崎区は臨海部の工業地帯を抱え、歴史的にも多様な背景を持つ住民が暮らしてきた地域です。「7区データ図鑑」で見たとおり、川崎区は33指標のうち13指標で1位——外国人比率もそのひとつです。
逆に北部の宮前区(1.45%)、麻生区(1.49%)は低い。南部と北部で、街の成り立ちがまったく違うことが、この指標にも表れています。

出典:総務省「社会・人口統計体系(A 人口・世帯)」をもとに作成

解説:40人に1人

増加が始まったのは1990年前後

川崎市の外国人人口は、1980年の8,532人(総人口の0.82%)から2020年の38,482人(2.50%)へ、40年で4.5倍になりました。市民の40人に1人が外国人という計算です。

推移を見ると、増え方は一様ではありません。1980年代はほぼ横ばい(0.82%→0.84%)でした。動き出すのは1990年前後です。1990年に1.03%、1995年に1.33%。出入国管理法の改正(1990年)で在留資格が整理され、日系人の受け入れが広がった時期と一致します。

2000年代前半は再び伸びが止まり、大きく増えたのは2005年以降です。2005年1.43%から2020年2.50%へ、15年で1.07ポイント。技能実習制度の拡大や留学生の増加が背景にあると考えられます。

川崎区が3.9倍

区別に見ると、差は鮮明です。川崎区5.64%に対し、宮前区1.45%。3.9倍の開きがあります。

川崎区が高い理由は、この区の成り立ちにあります。「製造品出荷額等の推移」のページで見たとおり、川崎区は市の製造品出荷額の78.3%を占める工業地帯です。工場労働の担い手として多様な背景を持つ人々が集まり、コミュニティが形成されてきました。京急川崎から大師線沿線にかけての地域は、その歴史を色濃く残しています。

いっぽう北部の宮前区・麻生区は1.5%前後。「建て方別(共同住宅比率)」のページで見たとおり、この2区は持ち家・戸建て中心の住宅地です。住まいの形と住民構成は、同じ地域の歴史を別の角度から映しています。

中小企業への示唆

1. 労働力としての存在感——「就業者数・失業率・女性就業」のページで見たとおり、川崎市では20年間で男性の就業者が1万人以上減りました。人手不足が構造的である以上、外国人材は選択肢のひとつになります。市内にすでに3万8千人が暮らしているという事実は、採用の現実味を高めます。

2. 顧客としての市場——川崎区では住民の5.64%、約1万3千人が外国人です。食材、送金、通信、不動産仲介、行政手続きの支援——特定のニーズに応える商売が成立する規模があります。

3. 多言語対応のコスト——市平均2.50%という数字は、裏を返せば97.5%は日本人だということでもあります。全区一律で多言語対応を用意するのは効率が悪い。川崎区・幸区に絞るのが現実的です。

4. 数字は増え続ける方向——「出生・死亡(自然増減)」のページで見たとおり、川崎市は2021年に自然減へ転じました。労働力を国内だけで補うことが難しくなるなか、この比率は今後さらに上がると見るのが自然です。

データの注意点

数値は国勢調査(5年ごと)によるもので、最新は2020年です。住民基本台帳の外国人住民数とは定義が異なります(国勢調査は調査時点で3か月以上在留している人が対象)。市が毎月公表している外国人住民数とは一致しません。

2015年に比率が一度下がっていますが、これは実際の減少というより、在留資格制度の変更や調査方法の影響を含む可能性があります。長期の傾向として読むのが安全です。

国籍別の内訳は、このデータベースには収録されていないため扱っていません。川崎市が公表している外国人住民統計には国籍別のデータがあります。