川崎市の住宅の建て方

3戸に2戸が共同住宅。マンションの街としての川崎です。

このページの要点

① 住宅の67.0%が共同住宅。マンション・アパートなどが56万500戸。一戸建は18万3,200戸(21.9%)にとどまります。

② 共同住宅の比率は上がり続けている。2003年の63.5%から2023年の67.0%へ。20年で3.5ポイント上昇しました。

③ 区で1.5倍の差。中原区75.3%に対し、麻生区は51.1%。南部ほどマンション、北部ほど戸建てという分布がはっきりしています。

建て方別の内訳

住宅の建て方別戸数の推移

積み上げ棒/住宅・土地統計調査(5年ごと)

読み方:総住宅数は2003年の60万2,180戸から2023年の83万6,900戸へ、20年で23万4,720戸増えました。
増えた分の内訳を見ると、共同住宅が17万8,210戸増、一戸建が4万170戸増。増加の76%が共同住宅です。「人口の推移」のページで見た人口増加を、マンション供給が受け止めてきたことがわかります。

出典:総務省「社会・人口統計体系(H 居住)」(住宅・土地統計調査)をもとに作成

共同住宅の比率の推移

共同住宅数 ÷ 総住宅数(%)

読み方:2003年の63.5%から2023年の67.0%へ、20年で3.5ポイント上がりました。すでに高い水準から、さらに上がり続けています。
全国平均の共同住宅比率は4割台です。川崎市の67.0%は、全国的に見て相当に高い水準だといえます。

出典:総務省「社会・人口統計体系(H 居住)」をもとに作成

7区でどう違うか

区別の共同住宅比率と持ち家率(最新年)

青が共同住宅比率、緑が持ち家率

読み方:共同住宅比率がもっとも高いのは中原区75.3%、もっとも低いのは麻生区51.1%。1.5倍の差です。
2本の棒がきれいに逆向きになっている点に注目してください。共同住宅が多い区ほど持ち家率が低い(中原区40.0%)、共同住宅が少ない区ほど持ち家率が高い(麻生区61.8%)。
南部(中原・幸・川崎)は「借りて住むマンションの街」、北部(麻生・宮前)は「買って住む戸建ての街」。同じ市内で、住まいの持ち方そのものが違います。

出典:総務省「社会・人口統計体系(H 居住)」をもとに作成

解説:マンションが受け止めた50万人

増加の76%が共同住宅

川崎市の住宅は2023年時点で83万6,900戸。うち共同住宅が56万500戸で67.0%を占めます。一戸建は18万3,200戸(21.9%)。3戸に2戸がマンション・アパートという構成です。

2003年からの20年で総住宅数は23万4,720戸増えました。その内訳は共同住宅17万8,210戸、一戸建4万170戸。増加分の76%が共同住宅です。

「人口の推移」のページで見たとおり、川崎市の人口は1980年の104万人から2025年の156万人へ52万人増えました。その大半を受け止めたのが、この共同住宅の供給です。市域が142.96km²と狭いなかで50万人以上を受け入れるには、上に積むしかありませんでした。

南はマンション、北は戸建て

区別に見ると、住まいの形ははっきり分かれます。

共同住宅比率が高いのは中原区75.3%、幸区、川崎区といった南部の区。低いのは麻生区51.1%、宮前区といった北部の区です。

そしてこの順序は、持ち家率とちょうど裏返しになります。中原区の持ち家率は40.0%で7区最低、麻生区は61.8%で最高。共同住宅の多い区ほど借家が多く、戸建ての多い区ほど持ち家が多いという、きれいな対応関係があります。

「人口ピラミッド」のページで見た年齢構成とも重なります。中原区は20〜39歳が31.9%で7区最高、麻生区は22.1%で最低。若い世代は借りて住み、定住した世代は買って住む——住まいの形と年齢構成は、同じことを別の角度から映しています。

中小企業への示唆

1. 訪問型ビジネスの効率が区で変わる——共同住宅が多い区は、1棟に多くの世帯が集まります。宅配、点検、修理、勧誘——移動時間あたりの訪問件数は、中原区と麻生区で大きく違います。「7区別 人口と人口密度」で見た密度3.1倍の差は、建て方の差と重なっています。

2. リフォーム市場は北部——持ち家率が高く一戸建が多い麻生区・宮前区は、住宅リフォームや外構、庭、屋根といった工事の市場です。逆に中原区のような借家中心の区では、この需要は小さくなります。

3. マンション管理は南部——共同住宅56万戸という規模は、管理、清掃、修繕、設備保守の巨大な市場です。とくに南部3区に集中しています。

4. 集合ポストと個別配布——販促物の配布効率も建て方で決まります。共同住宅比率75.3%の中原区では集合ポストへの投函が中心、51.1%の麻生区では戸別配布の割合が高くなります。単価設計を分けるだけの差があります。

データの注意点

数値は住宅・土地統計調査(5年ごと)によるものです。この調査は標本調査のため、全数調査である国勢調査と比べると誤差を含みます。数値が100戸単位で丸められているのはそのためです。

「共同住宅」にはマンションだけでなくアパートも含まれます。建物の階数や構造による区別はこのデータからは分かりません。

持ち家率は「持ち家数 ÷(持ち家数+借家数)」で計算しています。居住世帯のない住宅(空き家など)は分母に含めていません。

区別の数値は最新の調査年のものです。市全体の値と調査年が一致しない場合があります。