このページの要点
① 都市公園は1,213か所、621.35ヘクタール(2024年度末)。市民1人あたり4.05平方メートル——およそ畳2.5枚ぶんです。
② 箇所数の82.9%は街区公園ですが、面積では19.2%にすぎません。1か所あたり1,187平方メートル。小さな公園が大量にあるという構成です。
③ 5年で36か所、10.78ヘクタール増えました。ただし人口も増えているため、1人あたりでは4.01㎡から4.05㎡へ0.04㎡の増加にとどまります。
どんな公園が、どれだけあるか
種類別の箇所数と面積(2024年度末)
棒が面積(ha)、菱形が箇所数
逆に総合公園はわずか4か所ですが、面積は179.63haで全体の28.9%。運動公園にいたっては1か所で79.19ha(12.7%)です。
数は小さな公園、面積は大きな公園。1か所あたりの面積は、街区公園1,187㎡に対し、総合公園44万9,075㎡。378倍の差があります。
出典:川崎市「川崎市統計書 令和7年(2025年)版」第15章 ⅩⅤ-8をもとに作成
箇所数と面積で、構成がまったく違う
それぞれを100%としたときの内訳
箇所数では街区公園が82.9%を占めて他が見えません。面積では総合公園28.9%、その他の都市公園25.6%、街区公園19.2%と分かれます。
「公園が1,213か所ある」という数字だけでは、実際の緑の量はわかりません。
出典:川崎市「川崎市統計書 令和7年(2025年)版」第15章 ⅩⅤ-8をもとに作成
5年でどう増えたか
都市公園の箇所数と面積の推移(2020〜2024年度)
棒が面積(ha)、折れ線が箇所数
とくに2024年度は前年から6.89ha増えており、5年でもっとも大きな伸びでした。近隣公園が31か所から32か所へ、運動公園の面積が77.43haから79.19haへ増えています。
数はゆっくり、しかし着実に増えています。
出典:川崎市「川崎市統計書 令和7年(2025年)版」第15章 ⅩⅤ-8をもとに作成
市民1人あたりの公園面積
都市公園面積 ÷ 住民基本台帳人口(外国人を含む総数)
公園の面積は10.78ha(+1.8%)増えましたが、同じ期間に人口も1万3,579人増えました。「住民基本台帳の人口・世帯数」のページで見たとおりです。公園を増やしても、人が増えれば1人あたりは変わらない。
4.05平方メートルは、畳にしておよそ2.5枚ぶん。国が都市公園法施行令で定める標準(市街地で1人あたり5平方メートル以上)には届いていません。
「土地利用と工業用地」のページで見たとおり、川崎市の用途地域は38年で1.5%しか増えていません。公園にできる土地が、そもそも残っていないということです。
出典:川崎市「川崎市統計書 令和7年(2025年)版」第15章 ⅩⅤ-8、住民基本台帳をもとに作成
解説:畳2.5枚の緑
1,213か所、621ヘクタール
2024年度末現在、川崎市には都市公園が1,213か所あります。面積は621.35ヘクタール。市域面積145.35平方キロメートルの4.3%にあたります。
市民1人あたりにすると4.05平方メートル。畳にしておよそ2.5枚ぶんです。
都市公園法施行令は、市街地の都市公園について「住民1人あたり5平方メートル以上」を標準としています。川崎市はこれに届いていません。
数は多いが、小さい
1,213か所という数字は、決して少なくありません。市域を歩けば、あちこちに公園があります。
ただし中身を見ると、構成が偏っています。
街区公園が1,005か所で82.9%。ところが面積は119.32haで、全体の19.2%にすぎません。1か所あたり1,187平方メートル——だいたい35メートル四方です。いわゆる「児童公園」の規模になります。
いっぽう総合公園はわずか4か所ですが、面積は179.63haで全体の28.9%。1か所あたり44万9,075平方メートルです。街区公園の378倍。
運動公園にいたっては1か所で79.19ha、全体の12.7%を占めます。
数を担うのは小さな公園、面積を担うのは大きな公園。「川崎市には公園が1,213か所ある」という説明だけでは、実際の緑の量はわかりません。
増えても、1人あたりは変わらない
5年間で公園は増えています。箇所数は1,177か所から1,213か所へ36か所増(+3.1%)、面積は610.57haから621.35haへ10.78ha増(+1.8%)。
ところが1人あたりで見ると、4.01平方メートルから4.05平方メートルへ。5年で0.04平方メートルしか増えていません。
理由は人口です。「住民基本台帳の人口・世帯数」のページで見たとおり、川崎市の人口は2020年から2024年で1万3,579人増えました。公園を増やしても、人が増えればわりを食う。
そして、公園を増やす余地そのものが限られています。「土地利用と工業用地」のページで見たとおり、川崎市の用途地域は38年で1.5%しか増えていません。市街化調整区域も1,720haから1,707haへ、ほぼ動いていない。新しく公園にできる土地が、そもそも残っていません。
「将来推計人口」のページで見たとおり、川崎市の人口は2045年まで増え続ける見通しです。1人あたりの公園面積は、当面ほとんど改善しないと考えるのが現実的でしょう。
中小企業への示唆
1. 「緑が少ない」は事実として使える——1人あたり4.05㎡は、国の標準5㎡を下回ります。屋上緑化、壁面緑化、テラス、観葉植物。緑への需要は、統計的な裏づけがあります。
2. 公園の85%は「小さな公園」——1,005か所の街区公園、1か所あたり1,187㎡。遊具の更新、清掃、樹木管理。公共の維持管理の仕事は、この数の多さから来ています。
3. 大きな公園は5か所しかない——総合公園4か所と運動公園1か所で、面積の41.6%。イベント、出店、集客を考えるなら、この5か所に限られます。
4. これ以上は増えにくい——5年で+1.8%、用地の余地もない。「公園が増える前提」の事業計画は成り立ちません。既存ストックの維持・更新に需要が向かいます。
データの注意点
都市公園法にもとづく都市公園の数値です。市が管理する公園でも、都市公園として指定されていないものは含まれません。国や県が管理する公園、民間の緑地、社寺林、農地なども含まれません。
「緑被率」ではありません。市域のうち緑に覆われている面積の割合は、この統計とは別の調査になります。川崎市は緑の実態調査を別途行っていますので、そちらもあわせてご覧ください。
収録されているのは令和2〜6年度(2020〜2024年度)の5年分だけです。それ以前にさかのぼるには、川崎市統計書の過去の版を確認する必要があります。
各年度末現在の数値です。
区別の内訳は公表されていません。市全体の数値のみです。
1人あたりの計算には住民基本台帳人口(外国人を含む総数、各年1月1日現在)を使っています。年度末の公園面積を翌年1月1日の人口で割る形になるため、厳密には時点が一致しません。