このページの要点
① いちばん差が大きいのは製造品出荷額で148倍。川崎区3兆3,820億円に対し、宮前区は228億円。同じ市内で3桁違います。
② 川崎区は13指標で1位、麻生区は10指標で最下位。2つの区が、多くの指標で正反対の位置にいます。ただし「最下位=悪い」ではありません。持ち家率や1世帯あたり人員は麻生区が最大です。
③ 高津区は、突出した指標がひとつもない。33指標のうち最大が0個、最小が1個。7区でもっとも平均的な区です。市全体の縮図として見るのに適しています。
区を選んで、全指標を見る
ボタンで区を切り替えると、その区の33指標と7区中の順位が表示されます。
出典:このサイトの各ページで使用しているデータを集約したものです。指標ごとの出典は各分野のページをご覧ください。
2つの区を重ねて比べる
区の性格くらべ
8つの指標を、7区のなかでの相対位置(0〜100)に直して重ねています。外側にあるほど、その指標が7区のなかで高いという意味です
形が大きく違う組み合わせを選ぶと、区の性格の違いがはっきり出ます。たとえば中原区と麻生区、川崎区と宮前区を選んでみてください。
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指標を選んでランキング
出典:このサイトの各ページで使用しているデータを集約したものです。
33指標の一覧表
指標名をクリックすると、その指標で区を並べ替えます。もう一度クリックすると逆順になります。
解説:7つの区、7つの顔
同じ市内で、3桁違う
33の指標で7区を並べて、もっとも差が大きかったのは製造品出荷額でした。川崎区の3兆3,820億円に対し、宮前区は228億円。148倍です。
次いで面積が3.9倍(川崎区39.49km² ↔ 幸区10.01km²)、外国人比率が3.9倍(川崎区5.64% ↔ 宮前区1.45%)、従業者数が3.5倍、人口密度が3.1倍。人口そのものは1.5倍の差しかないのに、それ以外のほとんどの指標で2〜3倍以上の開きがあります。
「川崎市は156万人の街」という一言で商圏を考えると、この差が完全に見えなくなります。
川崎区と麻生区、正反対の2区
33指標のうち、川崎区は13指標で最大、麻生区は10指標で最小でした。市の南端と北端にある2つの区が、多くの指標で対極にあります。
川崎区が最大なのは、面積、製造品出荷額、従業者数、事業所数、小売販売額、売場面積、外国人比率、働く人÷住む人、完全失業率など。臨海部の工業地帯と川崎駅前の商業集積を抱え、市内でもっとも「働く場所」としての性格が強い区です。「通勤・通学の流動」で見たとおり、7区で唯一「働く人÷住む人」が1.0を超えます(1.38)。
麻生区は人口、事業所数、従業者数、小売販売額などが最小。いっぽうで持ち家率61.8%と1世帯あたり人員でトップ、他県通勤率も47.7%で最高です。新百合ヶ丘を中心とした住宅地で、もっとも「住む場所」としての性格が強い区だといえます。
ただし「最小=劣っている」ではありません。麻生区の空き家率や持ち家率は、住環境の指標としてはむしろ良好です。指標の向きを取り違えないよう注意が必要です。
中原区は「若くて密で借家」
中原区は11指標で最大でした。人口(26.9万人)、人口密度(1万8,303人/km²)、世帯数、総住宅数、共同住宅率(75.3%)、20〜39歳比率(31.9%)、小学校児童数、保育所等数、一般診療所数など。
いっぽう最小は高齢化率(15.3%)、持ち家率(40.0%)、完全失業率(2.79%)。「若い・密集・借家・働いている」という、武蔵小杉のタワーマンションがそのまま数字になったような区です。
高津区という「平均」
意外だったのが高津区です。33指標のうち最大が0個、最小が1個。突出した指標がひとつもありません。
人口23.7万人(市の15.2%)、面積16.36km²、人口密度1万4,509人/km²、高齢化率19.0%、他県通勤率44.2%——どれも7区の真ん中あたりに位置します。川崎市全体の縮図として見るなら、高津区がもっとも適しているということになります。
テストマーケティングをするなら、市全体の平均に近い区で試したい。その意味で高津区は使いやすいエリアです。
多摩区と宮前区の意外な数字
多摩区は6指標で最小と、麻生区に次いで「最小が多い区」です。小売販売額、売場面積、1人あたり小売販売額、小売吸引力(0.63)、1事業所あたり従業者数(9.4人)、年少人口比率(11.0%)。商業がもっとも弱い区という結果になりました。
ところが人口では、2020年から2025年にかけて+3.3%と7区でもっとも伸びています。人は増えているのに、買い物は区外へ流れている。「区別 小売販売額」のページで見たとおり、登戸から新宿まで20分台という立地がそのまま数字に出ています。
宮前区は開業率37.2%で7区トップ、1世帯あたり人員2.28人と年少人口比率14.0%も最大です。「開業率・廃業率」のページで見たとおり、2016年から2021年で事業所が498か所(+11.8%)増えた唯一の区でもあります。子育て世帯が多く、小さな事業が生まれている区という姿が浮かびます。
この図鑑の使い方
1. 出店・営業エリアの選定——同じ「20万人の区」でも、密度は3.1倍、1人あたり小売販売額は2.3倍違います。訪問効率、配布効率、商圏人口はすべて区によって変わります。
2. ターゲット層の確認——子育て世帯なら中原区・宮前区、シニアなら麻生区・川崎区、単身者なら川崎区(1世帯1.89人)。年齢構成と世帯規模は、商品設計に直結します。
3. BtoBの営業先——事業所数と1事業所あたり従業者数の組み合わせで、営業スタイルが変わります。幸区(1事業所16.4人)は少数深耕型、多摩区(9.4人)は数を回す型です。
4. 採用エリアの検討——完全失業率がもっとも高いのは川崎区(3.74%)、低いのは中原区(2.79%)。求職者の相対的な多さを示します。
データの注意点
指標によって年が異なります。人口は2025年、年齢構成・世帯・就業・住宅などは2020年、事業所は2021年、小売は2020年、製造品出荷額は2023年の値です。年をまたいだ計算(1人あたり小売販売額など)は、それぞれの年のずれを含みます。
各指標の詳しい定義や注意点は、このサイトの分野別ページに記載しています。この図鑑は横断的に見比べるための入口としてお使いください。
順位はあくまで7区のなかでの相対的な位置です。「1位=良い」とは限りません。完全失業率や空き家率のように、低いほうが望ましい指標も含まれています。