Flow of Foreigners Data 2024 — 秋田県編

秋田県の訪日外国人
流動分析レポート

2024年の訪日外国人流動データ(FF-Data)から、秋田県を出発地・目的地とする外国人の移動パターンを分析しました。

秋田への訪問者数
12.5万人
同一県内を除く
全国順位(目的地)
39位/47
東北6県中 最下位
東北圏からの流入率
78.9%
近隣依存が顕著
最大流入元
青森県
3.6万人(28.8%)
全国平均比
12.0%
平均の約1/8の水準
1東北6県の中での秋田県の立ち位置

まず東北6県で比較し、秋田県がどの位置にいるかを確認します。

東北6県 訪問者数の比較(千人・同一県内除く)

ポイント:東北6県の中で秋田県は最下位(125.5千人)です。トップの宮城県(345.9千人)の約3分の1、2位の青森県(194.9千人)の約6割にとどまります。宮城は仙台空港や松島、青森は弘前・十和田湖、山形は蔵王・銀山温泉と、各県が外国人を引きつける観光資源を活用している中、秋田県は集客力の面で大きな差が生じています。
2秋田県にはどこから来ているか

秋田県を訪問する外国人がどの都道府県から来ているかを分析します。

出発地別 訪問者数 Top 10(千人)

地域ブロック別の流入構成

ポイント:秋田への流入の約8割が東北圏内からです。青森(36.1千人)、岩手(25.7千人)、宮城(17.8千人)、山形(17.6千人)の4県だけで全体の77.4%を占めます。関東(主に東京)からは11%のみで、近畿以西からはほぼ来ていません。つまり、秋田県は「東北を旅行している外国人がついでに立ち寄る」パターンが大半で、秋田を主目的地として遠方から訪れる流れは極めて少ないということがわかります。
3秋田県からどこへ向かうか

秋田県を出発した外国人がどこへ移動するかを見ます。

目的地別 流出数 Top 10(千人)

地域ブロック別の流出構成

ポイント:秋田からの流出先も東北が中心(93.9千人・74.7%)ですが、流入と比べると関東や中部への流出がやや多いのが特徴です。特に東京(12.8千人)、千葉(1.9千人)、静岡(1.9千人)への流出は、秋田→東京方面→次の観光地という流れを示唆しています。
4純流動(流入 − 流出)のバランス

各県との間で、秋田に来る人が多いか・秋田から出ていく人が多いかを見ます。

都道府県別の純流動(千人)プラス=流入超過 / マイナス=流出超過

ポイント:青森(+8.4千人)と岩手(+7.3千人)からは秋田に来る人のほうが多く、北から南への流れが見てとれます。一方、山形(-6.5千人)と宮城(-4.7千人)に対しては秋田から出ていく人のほうが多く、南へ抜けていく流れが強いです。東京(-2.2千人)にも流出超過です。つまり、秋田は東北縦断ルートの「通過点」としての性格が強いと言えます。
5秋田県が関わる主要な流動ペア

秋田県発着の流動ペアを大きい順に並べました。

順位出発地目的地流動数(千人)規模
ポイント:最大のペアは青森→秋田(36.1千人)。これは東北地方でも有数の流動で、五能線や白神山地ルートの影響が考えられます。秋田→青森の逆方向(27.7千人)も大きく、この2県は双方向に強い結びつきがあります。秋田→山形のペアが大きいのは、内陸縦貫鉄道や日本海側ルートでの南下が多いことを示しています。
6分析のまとめと示唆

秋田県のインバウンド流動 ― 5つの特徴

① 全国最下位圏の訪問者数:他県からの訪問者は約12.5万人で全国39位。全国平均(約105万人)のわずか12%にとどまり、東北6県の中でも最下位です。

② 東北圏に閉じた流動パターン:流入の約8割が東北4県(青森・岩手・宮城・山形)からで、関西・中部・九州からの訪問はほぼゼロ。広域からの誘客ができていません。

③ 「通過点」としての秋田:北から(青森・岩手)流入し、南へ(山形・宮城・東京)流出するパターンが顕著。秋田を最終目的地とする旅行者が少ないことを意味します。

④ 県内滞在の薄さ:県内流動はわずか5.3千人で、全訪問者(県内含む)の4.0%にすぎません。県内で複数の観光地を回遊する動きがほとんど見られません。

⑤ 青森との強い結びつき:青森県との双方向流動が最も大きく(合計63.8千人)、白神山地や五能線など共有する観光資源をうまく活かせれば、さらなる連携が可能です。

秋田県への提言:
現状は「東北の通過点」ですが、竿燈まつり、乳頭温泉郷、角館の武家屋敷、男鹿のなまはげなど独自の観光資源は豊富です。青森・岩手との広域連携を軸としつつ、東京や関西からの「秋田を目的地とする」直行ルートの認知向上が課題です。特に県内での回遊率(4.0%)の低さは、県内の2次交通や周遊モデルコースの整備で改善の余地が大きいと考えられます。