参照価格とは
参照価格(リファレンスプライス)とは、消費者が製品の価格の高低を判断する際に、無意識に比較対象として用いる基準価格のことです。「この商品は高いか安いか」を判断するには、何らかの「基準」が必要であり、その基準が参照価格です。消費者の購買意思決定において極めて重要な概念であり、マーケティングの価格訴求においても中心的な役割を果たします。
内的参照価格と外的参照価格
①内的参照価格:消費者の記憶の中にある価格基準。過去の購入価格、適正だと感じる価格、予想価格などが含まれます。ブランドロイヤルティが高い消費者ほど、内的参照価格が明確です。②外的参照価格:外部から提示される価格基準。「メーカー希望小売価格○○円」「通常価格○○円からX%OFF」「競合商品○○円」などが該当します。ECサイトの「○%OFF」表示は外的参照価格を活用した代表的な手法です。
参照価格を活用したマーケティング手法
①二重価格表示(通常価格とセール価格の並記)、②メーカー希望小売価格の表示、③競合比較(「A社より○○円お得」)、④高額商品の先行提示によるアンカリング効果、⑤まとめ買い割引(1個あたりの参照価格との比較で割安感を訴求)、⑥「1日あたり○○円」表示(ドリッププライシング:大きな金額を小さな単位に分解)。
参照価格に関する法的規制
日本では景品表示法により、不当な二重価格表示が規制されています。「通常価格」として表示する価格は、過去一定期間(原則として過去8週間のうち4週間以上)にわたり実際に販売された価格でなければなりません。架空の「通常価格」や、ごく短期間しか適用されなかった価格を参照価格として表示することは、有利誤認表示として処分の対象となります。
具体例・事例
顧客が「高い・安い」を判断する際に、無意識のうちに基準とする価格のことです。
- 定価との比較:「定価3,000円→1,980円」と示すと、安く感じさせやすい。
- 過去の価格:以前より安ければ割安に、高ければ割高に感じやすい。
- ある衣料品店:希望小売価格を併記し、実売価格の値ごろ感を伝える想定例。
どんなときに使う?(活用シーン)
価格の見せ方を工夫して、お得感や納得感を引き出したい場面に使います。
- 比較対象をあわせて提示し、自店の価格を相対的に魅力的に見せる。
- 上位プランを先に見せることで、本命の価格を手頃に感じてもらう。
- あるECサイトでは、通常価格とセール価格を並べて表示し、購入を後押しする見せ方が考えられる。
よくある質問
Q. 参照価格はどうやって作られますか?
A. 顧客が過去に見た価格、他店の相場、表示された定価や希望小売価格などが影響します。これらが頭の中の「基準」となり、目の前の価格が高いか安いかの判断材料になります。
Q. 比較価格の表示で注意すべき点は?
A. 実際には販売実績のない架空の元値を示して割引を装うと、景品表示法上の問題になる恐れがあります。比較に使う価格は、根拠のある正しいものを用いることが必要です。