価格弾力性とは
価格弾力性(需要の価格弾力性)とは、価格の変動に対して需要量がどの程度変化するかを示す指標です。経済学の基本概念であり、マーケティングにおける価格設定の重要な判断材料となります。価格弾力性 = 需要量の変化率 ÷ 価格の変化率で計算され、絶対値が1を超える場合を「弾力的」、1未満の場合を「非弾力的」と呼びます。
弾力的な商品と非弾力的な商品
弾力的な商品(価格に敏感)の例:嗜好品、贅沢品、代替品が多い商品、ブランドロイヤルティが低い商品。非弾力的な商品(価格に鈍感)の例:生活必需品、中毒性のある商品(タバコ)、代替品がない商品、スイッチングコストが高い商品、ブランドロイヤルティが高い商品。マーケティングの目標の一つは、自社製品の価格弾力性を下げる(価格以外の価値で差別化する)ことです。
価格弾力性の測定方法
①過去の価格変更と売上データの分析(履歴データ分析)、②A/Bテスト(異なる価格を提示して反応を比較)、③コンジョイント分析(属性の組み合わせから支払意思額を推定)、④PSM分析(Price Sensitivity Meter:適正価格帯の調査)、⑤バン・ウェステンドルプ法(価格感度マップの作成)。デジタルマーケティングではA/Bテストによるリアルタイム分析が普及しています。
価格弾力性のマーケティング活用
価格弾力性が高い市場では、値下げによる販売量増加が見込めるためペネトレーション戦略が有効です。逆に弾力性が低い市場では、値上げしても需要減少が少ないためプレミアム戦略やスキミング戦略が適しています。セグメントごとの価格弾力性を把握し、差別化プライシングを行うことで収益を最大化できます。
具体例・事例
価格を変えたとき、需要がどれだけ反応するかを表す指標です。
- 生活必需品:値上げしても買う量が大きくは減りにくく、弾力性は小さい傾向。
- ぜいたく品・代替の多い商品:値上げで需要が大きく減りやすく、弾力性が大きい。
- ある飲食店:定番メニューを値上げしたとき客足が大きく減るか、ほとんど変わらないかを観察する想定例。
どんなときに使う?(活用シーン)
値上げ・値下げが売上にどう響くかを見極め、価格変更の判断に役立てる場面で使います。
- 需要が価格にあまり反応しない商品は値上げを検討し、利益を確保する。
- 価格に敏感な商品は安易な値上げを避け、価値の訴求や差別化で対応する。
- ある小売店では、商品ごとの反応の違いを把握し、値上げしやすい品とそうでない品を分けて対応できる。
よくある質問
Q. 弾力性が大きい・小さいとはどういう意味ですか?
A. 弾力性が大きい(弾力的)とは、わずかな価格変化で需要が大きく動くことです。小さい(非弾力的)なら、価格を変えても需要があまり動きません。値上げの可否を判断する目安になります。
Q. 中小企業でも弾力性は把握できますか?
A. 厳密な計算は難しくても、過去の値上げ・値下げ時の販売数の変化を見れば傾向はつかめます。商品ごとに「価格に敏感かどうか」を感覚的に把握するだけでも値付けに役立ちます。