ブランド価値評価とは
ブランド価値評価(ブランドバリュエーション)とは、ブランドが持つ経済的価値を金額として算出するプロセスです。M&A時のブランド資産の値付け、ブランド戦略の効果測定、経営資源配分の判断材料、ステークホルダーへの報告など、さまざまな目的で活用されます。国際規格ISO 10668がブランド価値評価の基準を定めています。
主要なブランド価値評価モデル
①インターブランド法(ブランドが生み出す将来キャッシュフローを割引現在価値で算出)、②BrandZ法(WPP/カンター:消費者調査データと財務データを統合)、③Brand Finance法(ロイヤリティレリーフ法:第三者にブランドをライセンスした場合のロイヤリティ収入を基に算出)。各モデルで評価額が異なるため、目的に応じた手法の選択が必要です。
ブランド価値に影響する要因
ブランド価値は、①ブランド認知度・知名度、②ブランドロイヤルティ(リピート率、NPS)、③知覚品質(消費者が認識する品質の高さ)、④ブランドの価格プレミアム(競合より高い価格でも選ばれる力)、⑤ブランドの成長可能性(新市場・新カテゴリへの展開力)、⑥法的保護の強さ(商標権、特許)によって決まります。これらを総合的に高めることがブランド価値の向上につながります。
日本企業のブランド価値向上の課題
インターブランドの「Best Global Brands」において、日本企業はトヨタ、ホンダ、ソニーなどが上位にランクインしていますが、欧米の巨大テックブランドと比較すると差が開いています。日本企業のブランド価値向上には、グローバルでの一貫したブランド体験の提供、デジタル接点でのブランド構築強化、パーパスの明確化と発信が課題とされています。
具体例・事例
ブランド価値評価は、目的に応じてさまざまな場面で使われます。
- M&A時の値付け:企業や事業を売買する際、ブランドの資産価値を金額で示す。
- 効果測定:ブランド施策が価値向上につながったかを確認する。
- 地方企業の例:ある地方の老舗企業では、事業承継の検討にあたり、長年培ったブランドの価値を整理したとされます。
どんなときに使う?(活用シーン)
ブランドの経済的価値を見える化し、判断材料にするために役立ちます。
- M&Aや事業承継で、ブランドを資産として評価したいとき。
- 経営資源をどのブランドに配分するか判断したいとき。
- 中小企業では厳密な算定は難しくても、自社ブランドの強みを言語化しておくだけでも承継時に役立つ。
よくある質問
Q. ブランド価値はどうやって金額にするのですか?
A. 代表的には、ブランドがもたらす将来の利益を見積もる方法などがあります。国際規格ISO 10668が評価の枠組みを定めていますが、算定には専門的な前提が多く、専門家の関与が一般的です。
Q. 中小企業にブランド価値評価は関係ありますか?
A. 金額算定そのものは大企業中心ですが、考え方は役立ちます。事業承継やM&Aの際、自社ブランドの強みや信頼を整理しておくことは、適正な評価や交渉の助けになります。