傾向スコア

Propensity Score

傾向スコアとは

傾向スコア(Propensity Score)とは、観察データにおいて、ある個体が介入(処置)を受ける確率を、その個体の共変量から推定した値です。ローゼンバウムとルービンが1983年に提案し、観察研究における選択バイアスを軽減するための重要な手法です。

傾向スコアの推定

傾向スコアは通常、ロジスティック回帰を用いて推定されます。処置群に属するかどうかを目的変数、共変量を説明変数としてモデルを構築し、予測確率を傾向スコアとします。近年では、勾配ブースティングやランダムフォレストなどの機械学習手法で推定するケースもあります。

傾向スコアの利用方法

推定された傾向スコアを用いた代表的な手法に、マッチング法(スコアが近い個体同士をペアにする)、IPW法(逆確率重み付け)、層化法(スコアに基づいてグループ分け)、共変量調整法(回帰モデルにスコアを投入)があります。これらにより処置群と対照群の背景因子のバランスを調整します。

傾向スコアの限界

傾向スコアで調整できるのは観測された共変量のみであり、未観測の交絡因子は調整できません。また、傾向スコアの推定モデルが不適切な場合、バイアスが残る可能性があります。感度分析により未観測交絡の影響を評価することが推奨されます。