データクリーンルーム

Data Clean Room

データクリーンルームとは

データクリーンルームとは、複数の組織がそれぞれのデータを安全な環境に持ち寄り、プライバシーを保護しながら共同分析を行うための技術的・制度的な仕組みのことです。参加者はデータの生データを直接閲覧することはできず、承認された分析クエリの結果のみを取得できます。サードパーティCookieの廃止を受けて、広告・マーケティング分野で急速に普及しています。

表:データクリーンルームの要点まとめ
ひとことで言うと複数社のデータを、互いに生データを見せずに突き合わせられる安全な環境。
どこで使う広告効果の測定、小売とメーカーの共同分析、業界横断のベンチマーク。
注意点集計結果から個人が特定されないよう、出力に制限がかかる。

データクリーンルームの仕組み

データクリーンルームでは、各参加者が暗号化されたデータをクリーンルーム環境にアップロードします。分析クエリは事前に定義されたルールに基づいてのみ実行可能で、個人を特定できる結果の出力は防止されます。匿名化、差分プライバシー、セキュアマルチパーティ計算などの技術が組み合わせて使用されます。代表的なサービスとして、Google Ads Data Hub、Amazon Marketing Cloud、Snowflake Data Clean Roomなどがあります。

図:データクリーンルームのしくみ
1各社がデータを持ち込む隔離された環境へ
▶
2生データは見えない互いに非公開
▶
3環境内で突合共通の顧客を照合
▶
4集計結果のみ出力個人は特定できない
▶
5双方が分析に活用安全に協業できる

AI開発での活用

AI開発においてもデータクリーンルームの活用が広がっています。複数の医療機関の患者データを用いた疾病予測モデルの構築や、複数の金融機関の取引データを用いた不正検知モデルの開発など、単独の組織ではアクセスできないデータを活用したAI開発が可能になります。ガバナンスの観点では、データクリーンルームのセキュリティ基準、許可される分析の範囲、結果の利用条件、監査の仕組みなどを参加者間で合意することが重要です。