統計的パリティ

Statistical Parity / Demographic Parity

統計的パリティとは

統計的パリティ(Statistical Parity)、またはデモグラフィックパリティ(Demographic Parity)とは、AIシステムの公平性を評価する基本的な指標のひとつで、異なるグループ間でポジティブな結果(合格・承認・推薦など)が得られる確率が等しいことを要求する基準です。

統計的パリティの定義

数学的には、保護属性(例:性別)のグループAとグループBについて、P(Y=1|A) = P(Y=1|B)が成り立つとき、統計的パリティが満たされるといいます。つまり、「男性の合格率」と「女性の合格率」が等しいことを要求します。この指標は予測結果の分布のみに着目し、実際のラベル(正解)との関係は考慮しません。

統計的パリティの長所と短所

長所としては、直感的に理解しやすく、計算が容易で、差別の結果に直接焦点を当てている点が挙げられます。短所としては、グループ間で実際の適格率が異なる場合でも同じ選択率を強制するため、予測精度を犠牲にする可能性があること、また個人レベルの公平性は保証されないことがあります。資格のある候補者を不合格にしたり、資格のない候補者を合格にしたりする結果を招きうるという批判もあります。

適用場面と留意点

統計的パリティは、過去の差別の影響を是正するアファーマティブアクション的な文脈で有効とされます。一方で、メリトクラシー(実力主義)の観点からは批判を受けることもあります。適用する際は、なぜこの基準が適切なのかを文脈に即して判断し、他の公平性指標との関係も考慮することが重要です。