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中小企業診断士 第2次試験 / 事例Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
2次試験で差がつくのは、知識量よりも「80分をどう使うか」です。開始の合図から解答用紙を裏返すまでの手順を、5つのフェーズに分けて時刻つきで整理しました。
Overview
2次試験は、時間が余る試験ではありません。与件文を読みながら考え、考えながら書く——という進め方をすると、たいてい最後の1問が字数不足で終わります。先に時間の予算を決めて、その中で作業を打ち切るのが基本方針です。
下の配分は、事例Ⅰ〜Ⅲ(記述中心の事例)を想定した一例です。書く時間に30分を確保しているのがポイントで、ここを削らないために前半の作業を時計で強制終了します。
※ 時間配分に唯一の正解はありません。ここでの配分は「書く時間を先に取り分ける」という考え方を形にしたもので、自分の演習記録に合わせて調整してください。
The 5 Phases
いきなり与件文に飛び込まない時間です。手を動かすだけの作業なので、緊張していても確実にこなせます。
2次試験でもっとも費用対効果の高い時間です。与件文を読む前に設問だけを読み、「何を探しに行くのか」をあらかじめ決めてしまいます。ここが空白のまま与件文を読むと、全部が重要に見えてきます。
設問という地図ができた状態で読みます。目的は「理解」ではなく「回収」。使えそうな記述に印をつけ、どの設問で使うかを段落の横に書き込んでいきます。
ここで解答の内容は決まります。残り30分は「決まったものを字数に収める作業」にしたい。逆に言えば、骨子ができていないまま書き始めないということです。
骨子メモの例(事例Ⅰ・100字・理由を問う設問)
根拠:④段落 ベテラン依存/技術の属人化 打ち手:OJT+マニュアル化で技術移転 効果:技能継承が進み品質安定 → 受注拡大に対応
↓ この3行を、因果でつないで字数に収める
理由は、技術がベテランに属人化していたためである。OJTとマニュアル化により若手への技術移転を進め、技能継承と品質の安定を図り、受注拡大に対応できる体制を構築するため。
4問なら1問あたり7分弱、残り2分で最終確認という計算です。書きやすい設問から手をつけて構いません。重要なのは、難問に時間を吸い取られて白紙を作らないこと。2次試験は部分点の試験です。
Case IV
事例Ⅳ(財務・会計)は計算問題が中心なので、上の配分はそのまま使えません。方針は「確実に取れる問題を先に確保し、重い問題は後回し」。特にNPV(正味現在価値)は、深追いすると他の問題を巻き添えにします。
| 時刻 | やること | 狙い |
|---|---|---|
| 0:00–0:05 | 全設問を確認し、難易度でA/B/Cに仕分け | 解く順番を決める。捨てる問題もここで決める |
| 0:05–0:25 | 第1問の経営分析(指標の選定と計算、記述) | 配点が大きく、毎年出る。ここは満点を狙う |
| 0:25–1:00 | 個別問題をA→Bの順に解く(CVP、キャッシュフローなど) | 取れる問題から確実に。1問15分を超えたら撤退 |
| 1:00–1:15 | 記述問題(リスク、意思決定の留意点など)を埋める | 計算不要で加点できる。白紙は必ず避ける |
| 1:15–1:20 | 単位・符号・転記の確認 | 百万円か千円か、△(マイナス)の付け忘れがないか |
計算過程を書く欄がある問題では、答えが合わなくても過程を書けば部分点の可能性が残ります。時間切れが近いときほど、空欄より途中式です。
Checklist
本番で時間配分を考え始めると、それだけで思考の容量を使ってしまいます。この手順は、過去問演習のたびに同じ形で回して、身体に入れておくためのものです。演習後に「どのフェーズが何分かかったか」を記録していくと、自分用の配分に修正できます。
本ページは、過去問演習の進め方を筆者の視点で整理したものであり、試験実施機関の公式見解ではありません。