2026年11月5日 公表 不正アクセス 調査中 影響度:中

駿河屋のアフィリエイトシステムに不正アクセス、約5,500人の登録情報が書き換えられる 口座情報も流出の可能性

対象組織:株式会社駿河屋 / 規模:約5,500人(退会者を含むアフィリエイト登録者。パスワード・口座情報等)
// WHAT HAPPENED

駿河屋のアフィリエイトシステムが不正アクセスを受け、登録者の個人情報が書き換えられていたことが公表されました。対象は退会者を含む約5,500人で、パスワードや口座情報の流出の可能性があります。通販サイト本体への影響はないとされています。

事案の概要データ

公表日2026年11月5日
対象同社のアフィリエイトシステム
件数約5,500人(退会者を含む)
確認された事象登録者の個人情報が第三者によって書き換えられた
流出の可能性がある情報パスワード、口座情報など
影響のない範囲通販サイト本体
過去の事案駿河屋では2025年8月にも別の事案が公表されている(本サイト掲載)
状態調査中

図解:この事故の構造

図:情報を盗むだけでなく、振込先を書き換えて金銭を得ようとする攻撃。気づくのが遅れやすい。
通常の情報漏えい
第三者がシステムに侵入し、登録者の個人情報を外部に持ち出す。被害は情報の流出とその後のフィッシングなど。データ自体は元のまま残っている。
本件で起きたこと
第三者が登録者の個人情報を書き換えた。報酬の振込先を変更されれば、次の支払いがそのまま攻撃者に渡る。データが消えたりサービスが止まったりしないため、支払日まで気づきにくい。

何が起きたのか

株式会社駿河屋は2026年11月5日、同社のアフィリエイトシステムが第三者の不正アクセスを受け、登録者の個人情報が書き換えられたことを公表しました。対象は退会者を含む約5,500人で、パスワードや口座情報の流出の可能性があります。通販サイト本体への影響はないとされています。

本サイトでは、駿河屋の2025年8月の事案も掲載しています。本件はそれとは別の事案です。

「漏えい」ではなく「書き換え」——見落とされやすい被害

本件で特徴的なのは、情報が書き換えられたと公表している点です。盗まれただけではありません。

なぜ書き換えるのか。アフィリエイトシステムで考えれば、答えは1つです。報酬の振込先を、自分の口座に変えるためです。

これは「金銭の詐取」を狙った攻撃です。情報を売るのではなく、直接お金を取りにきています。

そして、書き換えは気づきにくい。 データが消えるわけでも、サービスが止まるわけでもありません。次の支払日に「振り込まれていない」と言われて、初めて分かることが多いのです。

中小企業で、同じ被害が起きうる場所を挙げます。

①取引先の振込先口座(メールで変更依頼が来る「振込先変更詐欺」)

②従業員の給与振込口座(勤怠・給与システムの自己申告画面)

③ECサイトの出店者の入金口座

④業務委託先への支払い先

対策は、技術ではなく手続きで作れます。

1. 振込先の変更は、メールや画面だけで完結させない。 必ず電話で、こちらから既知の番号にかけて確認する。

2. 変更があったら通知を出す。 「振込先が変更されました」というメールを本人に送る設定があれば、不正な変更に本人が気づけます。

3. 支払前に、前回と違う口座がないか一覧で確認する。 経理の月次作業に1行足すだけです。

退会者が含まれる——アフィリエイトは「辞めた人」が溜まる

対象に退会者が含まれると明記されています。

アフィリエイトの登録者は、入れ替わりが激しい分野です。登録したが使わなかった人、一時期だけ活動した人、辞めた人。辞めた人の口座情報が残り続けます。

本サイトでは11月だけで、退会者・終了済みの情報が対象になった事案を繰り返し扱いました。@cosme、ネットマイル、クレディセゾンのMUJI Card(退会者を含む約109万件)、SMBCコンシューマーファイナンス(2020年に終了した商品の審査情報)、そして本件です。

退会・解約の処理に「データを消す」が入っていない。これが共通の原因です。

退会処理を作るときの考え方を、整理しておきます。

①退会=ログインできなくする、ではない。 多くのシステムは「退会フラグを立てる」だけで、データはそのまま残ります。

②残す必要があるのは、たいてい取引記録だけ。 金額、日付、相手先。これは帳簿として保存義務があります。

③口座情報・パスワード・住所は、支払いが完了したら消せる。 再登録のときは、また入力してもらえばよいのです。

④「消す」を誰かの作業にしない。 退会から○日後に自動削除する設定にする。手作業では続きません。

口座情報を持ち続ける理由は、ほとんどありません。持たなければ、書き換えられることもありません。

時系列で見る経過

中小企業が学ぶべきポイント

  1. 盗まれただけでなく、登録情報が「書き換えられた」。報酬の振込先を変える、金銭の詐取を狙った攻撃。
  2. 書き換えは気づきにくい。次の支払日に「振り込まれていない」と言われて初めて分かる。
  3. 振込先の変更は、メールや画面だけで完結させない。既知の番号に電話して確認する。
  4. 振込先が変更されたら本人に通知メールを出す設定にする。本人が不正な変更に気づける。
  5. 支払前に、前回と違う口座がないか一覧で確認する。経理の月次作業に1行足すだけ。
  6. 退会者の口座情報が残り続けていた。退会処理に「データを消す」が入っていない。
  7. 退会は「ログインできなくする」だけになりがち。残すのは取引記録だけでよい。
  8. 口座情報は支払いが完了したら消す。退会から○日後の自動削除にする。手作業では続かない。

出典・参考

ご注意
本記事は、各組織の公表資料および報道をもとに、要点をわかりやすく整理したものです。 被害件数は「漏えいした可能性のある最大件数」として公表されている場合があり、実際に漏えいが確定した件数とは異なることがあります。 また、調査の進展により内容が変わる場合があります。正確な情報は必ず出典元の公式発表をご確認ください。

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