2026年11月6日 公表 委託先・サプライチェーン 調査中 影響度:大

ライフネットスーパー、富士通の再委託先アララ経由で133,330件 郵便番号と会員登録日も対象

対象組織:株式会社ライフコーポレーション(「ライフネットスーパー」) / 規模:133,330件(ネットスーパー会員のメールアドレス・郵便番号・会員登録日)
// WHAT HAPPENED

ライフコーポレーションは、「ライフネットスーパー」のメールマガジン配信業務の委託先である富士通の、さらに再委託先であるアララのメール配信サービスが不正アクセスを受け、ネットスーパー会員133,330件のメールアドレス・郵便番号・会員登録日が流出した可能性があると公表しました。

事案の概要データ

公表日2026年11月6日
委託の構造ライフコーポレーション → 委託先:富士通株式会社 → 再委託先:アララ株式会社
対象「ライフネットスーパー」のメールマガジン配信業務
件数133,330件(ネットスーパー会員)
流出した可能性がある情報メールアドレス、郵便番号、会員登録日
対象外の情報氏名、クレジットカード番号
別事案ライフコーポレーションは2026年11月2日にも、「ライフ公式アプリ」への大量かつ自動的な認証試行により298件が閲覧された可能性があると公表している(本件とは別事案)

図解:この事故の構造

図:ライフ→富士通→アララの3段。委託元はいちばん奥の会社と契約していない。
1起点(再委託先アララ)
攻撃者アララのメール配信基盤に侵入(10月28〜31日)
2委託先
富士通株式会社(委託先)メールマガジン配信業務を受託し、アララに再委託
3委託元と会員2件
ライフコーポレーション「ライフネットスーパー」のメルマガ配信を委託
ネットスーパー会員 133,330件メールアドレス・郵便番号・会員登録日(氏名・カード情報は対象外)

何が起きたのか

株式会社ライフコーポレーションは2026年11月6日、「ライフネットスーパー」のメールマガジン配信業務の委託先である富士通株式会社の、その再委託先であるアララ株式会社のメール配信サービスが不正アクセスを受け、ネットスーパー会員133,330件のメールアドレス、郵便番号、会員登録日が流出した可能性があると公表しました。氏名やカード番号の流出はないとしています。

なお、同社は11月2日にも「ライフ公式アプリ」への大量かつ自動的な認証試行により298件が閲覧された可能性があると公表しています。こちらは本件とは別の事案です。

「委託先の再委託先」——3段になると、誰も全体を見ていない

本件の構造は、はっきり3段です。

ライフコーポレーション → 富士通(委託先) → アララ(再委託先)

ライフコーポレーションは、アララと契約していません。富士通にメール配信業務を任せ、富士通がアララを使っていました。

この形は、11月の事案で繰り返し出てきます。無印良品のオーダーカーテン(良品計画→MNインターファッション→ナノテック)、GMOメイクショップ(ネットショップ→GMOメイクショップ→アララ)、山梨県の富士山予約(山梨県→アソビュー→アララ)。

3段になると、誰も全体を見ていない状態になりやすい。

委託元は「信頼できる大手に任せた」と思っています。委託先は「自社の判断で最適なツールを選んだ」と思っています。どちらも間違っていませんが、結果として、委託元は自社の顧客データがどこにあるか知りません。

中小企業がやるべきことは、契約書を書き換えることではありません(相手が大手なら、こちらの文案は通りにくい)。聞くことです。

「この業務で、御社が利用している外部サービスを教えてください」。

この一言を、契約のときと、年に1回の見直しのときに聞いてください。答えが「お答えできません」でも、聞いた記録が残ります。そして、聞かれる側は、聞かれると管理するようになります。

郵便番号と会員登録日が示すもの

流出項目に、郵便番号と会員登録日が入っています。氏名は対象外です。

ネットスーパーですから、配達のために住所を持っています。そのうち郵便番号だけが配信サービス側にあったのは、おそらく「お住まいの地域に合わせたチラシを送る」ためでしょう。

これは、項目を絞った良い例です。番地まで渡していれば、配達先が特定される流出になっていました。

一方で、郵便番号でも分かることはあります。その人がどの地域に住んでいるか。そして「ライフのネットスーパーを使っている」という事実。

組み合わせると、こういう偽メールが作れます。「○○店(その郵便番号の近くの実在店舗)の配達エリア変更のお知らせ」。 地域が合っているので、本物に見えます。

会員登録日も、使い方があります。「ご登録から3年の会員様へ、特別クーポン」。実際の登録時期に合っていれば、疑いにくくなります。

利用者としての備えは、いつもと同じ1つです。クーポンやお知らせは、メールのリンクからではなく、アプリや公式サイトを自分で開いて確認する。

事業者側は、「地域別配信のために郵便番号だけ渡す」という判断そのものは正しいことを覚えておいてください。氏名も番地も渡さなかったから、この程度で済みました。

時系列で見る経過

中小企業が学ぶべきポイント

  1. ライフ→富士通→アララの3段。委託元は再委託先と契約しておらず、名前も知らないことがある。
  2. 3段になると誰も全体を見ていない状態になりやすい。委託元も委託先も、それぞれの判断は間違っていない。
  3. 契約書を書き換えるより、「この業務で利用している外部サービスを教えてください」と聞く。
  4. 聞いた記録が残る。そして、聞かれる側は聞かれると管理するようになる。
  5. 番地ではなく郵便番号だけを渡していた。項目を絞った良い例で、被害がその分小さい。
  6. 郵便番号でも地域は分かる。近くの実在店舗名を使った偽メールが作れる。
  7. 会員登録日も「ご登録から3年の会員様へ」という自然な口実の材料になる。
  8. 同じ会社が11月2日と6日に別事案を公表している。1社に入口は複数ある。

出典・参考

ご注意
本記事は、各組織の公表資料および報道をもとに、要点をわかりやすく整理したものです。 被害件数は「漏えいした可能性のある最大件数」として公表されている場合があり、実際に漏えいが確定した件数とは異なることがあります。 また、調査の進展により内容が変わる場合があります。正確な情報は必ず出典元の公式発表をご確認ください。

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