レポートの概要
このレポートは、資源エネルギー庁が毎月公表している「石油備蓄の現況」PDFから抽出したデータをもとに、日本の石油備蓄量の推移をグラフ化したものです。国家備蓄と民間備蓄それぞれの原油・製品の保有量について、直近約3年間の月次データを確認できます。
2026年3月にはホルムズ海峡情勢の緊迫化を受け、政府が備蓄放出を表明するなど、石油備蓄の重要性が改めて注目されています。
合計保有量(2026年1月末)
7,289万kl
≒約4.6億バレル
合計備蓄日数
248日分
IEA基準:210日分
国家備蓄
4,319万kl
原油4,177 + 製品142
民間備蓄
2,778万kl
原油1,278 + 製品1,500
国家備蓄 保有量の推移(原油・製品)
出典:資源エネルギー庁「石油備蓄の現況」各月分PDFより作成
民間備蓄 保有量の推移(原油・製品)
出典:資源エネルギー庁「石油備蓄の現況」各月分PDFより作成
📊 このグラフのポイント
民間備蓄は季節変動が大きいのが特徴です。冬場(11月〜2月)は暖房用の灯油需要が高まるため、製品在庫が減少し、春〜夏にかけて積み増す傾向があります。
- 民間備蓄の原油は1,100〜1,400万kl程度で変動しており、国家備蓄と比べて変動幅が大きくなっています。
- 製品は1,400〜1,600万kl程度で推移し、夏場に増加して冬場に減少する季節パターンがみられます。
- 石油元売り各社の在庫戦略や需給バランスが直接反映されるため、市場動向の指標としても注目されます。
石油備蓄 合計保有量と備蓄日数の推移
出典:資源エネルギー庁「石油備蓄の現況」各月分PDFより作成
📊 このグラフのポイント
合計保有量(国家+民間+産油国共同)は約7,000〜7,500万klの範囲で推移しています。備蓄日数は240〜260日分で安定しており、国際的にも高い水準を維持しています。
- 保有量がやや減少しても備蓄日数が維持されるのは、国内の石油消費量自体が減少傾向にあるためです。
- 2026年3月のホルムズ海峡情勢では、民間備蓄15日分+国家備蓄1ヶ月分の放出が表明されました。
- 有事の際の供給途絶リスクに備え、中小企業でも燃料調達の分散やBCP策定が重要です。
国家備蓄 vs 民間備蓄|原油保有量の比較
出典:資源エネルギー庁「石油備蓄の現況」各月分PDFより作成
📊 このグラフのポイント
国家備蓄の原油は安定的に約4,200万kl前後で推移する一方、民間備蓄の原油は1,100〜1,400万klと変動が大きくなっています。国家備蓄は「封印保管」で基本的に動かさないのに対し、民間備蓄は日常の精製・販売活動と連動しているためです。
- 国家備蓄の原油は民間備蓄の約3.3倍と、質量ともに日本のエネルギー安全保障の柱となっています。
- 民間備蓄の原油変動は、石油元売り各社の調達・精製計画や国際市況に左右されます。
- 有事の備蓄放出は、まず民間備蓄の義務量引き下げから開始されるのが通例です。
月次データ一覧(万kl)
| 時点 | 国家 原油 |
国家 製品 |
民間 原油 |
民間 製品 |
産油国 原油 |
合計 保有量 |
備蓄 日数 |
|---|
出典:資源エネルギー庁「石油備蓄の現況」各月分PDFより作成。2023年2月末〜2025年2月末のデータは公表PDFの範囲・過去実績に基づく推計値を含みます。
データのポイント
- 国家備蓄は約4,200万klで安定推移。2022年の初放出後も水準を維持しています。
- 民間備蓄は季節変動あり。冬の暖房需要期に製品が減少し、夏に積み増すサイクルです。
- 合計備蓄日数は約250日前後。消費量の減少により、保有量が減っても日数は維持傾向です。
- 2026年3月のホルムズ海峡緊迫で、政府は備蓄放出を表明。今後のデータに影響が出る見込みです。
- 中小企業にとって、石油備蓄はエネルギー安定供給の基盤。燃料コスト急騰リスクの備えとなります。
📊 このグラフのポイント
国家備蓄の原油は約4,100〜4,300万klの範囲で推移しており、この3年間で大きな変動はみられません。2022年のウクライナ侵攻に伴う国家備蓄放出(900万バレル≒約143万kl)の影響で2023年前半は低めの水準でしたが、その後は安定的に推移しています。