景気動向指数 個別系列の推移

内閣府「景気動向指数」より主要な個別系列をグラフで可視化(2015年〜最新月)

レポートの概要

景気動向指数は、景気の現状や先行きを総合的に判断するために内閣府が毎月公表している指標です。 個々の経済データ(個別系列)は「先行系列」「一致系列」「遅行系列」の3つに分かれており、 それぞれ景気の動きに対して先に動くもの・同時に動くもの・遅れて動くものという特徴があります。

このレポートでは、代表的な4つの個別系列を2015年以降の月次グラフで表示しています。

区分系列名景気との関係
先行L9 東証株価指数景気に先行して動く(株式市場は将来を織り込む)
一致C1 生産指数(鉱工業)景気とほぼ同時に動く(工場の稼働状況を反映)
一致C9 有効求人倍率(除学卒)景気とほぼ同時に動く(雇用環境を反映)
遅行Lg6 完全失業率(逆サイクル)景気に遅れて動く(雇用の調整は時間がかかる)

先行系列:東証株価指数(TOPIX)の推移

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出典:e-Stat(政府統計の総合窓口)景気動向指数 個別系列の数値

📊 このグラフのポイント

東証株価指数(TOPIX)は、株式市場の投資家が将来の景気を先読みして売買するため、 景気の方向が変わる「数か月前」に動き出す傾向があります。 そのため景気動向指数では「先行系列」に分類されています。

  • 2020年3月のコロナショックで急落したあと、金融緩和の効果もあって急速に回復しました
  • 2023年以降は日本株の再評価やインバウンド需要の回復を背景に上昇基調が続いています
  • 株価の急な変動は、中小企業にとっても取引先の業況変化や資金調達環境に影響を及ぼす可能性があります

一致系列:鉱工業生産指数の推移

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出典:e-Stat(政府統計の総合窓口)景気動向指数 個別系列の数値(2020年=100)

📊 このグラフのポイント

鉱工業生産指数は、工場でどれくらいモノが作られているかを示す指標で、 景気の動きと「ほぼ同時」に変動するため「一致系列」に分類されます。 製造業の中小企業にとって、自社の受注・出荷の動きと直結する重要な指標です。

  • 2020年4〜5月はコロナ禍で大きく落ち込みましたが、同年後半から持ち直しました
  • 2021年以降は半導体不足やサプライチェーン混乱の影響で、回復にムラが見られました
  • 製造業の中小企業は、この指標の動きを「受注の先行き」の参考にできます

一致系列:有効求人倍率(除学卒)の推移

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出典:e-Stat(政府統計の総合窓口)景気動向指数 個別系列の数値(倍)

📊 このグラフのポイント

有効求人倍率は「求職者1人に対して何件の求人があるか」を示す指標です。 1.0を超えると「人手不足」、下回ると「就職難」といえます。 景気と同時に動くため「一致系列」に分類されています。

  • 2018〜2019年には1.6倍前後と、バブル期以来の高水準が続いていました
  • コロナ禍で2020年に急低下しましたが、1.0を大きく割り込むことはありませんでした
  • 中小企業にとっては、求人倍率が高いほど採用が難しくなるため、賃上げや働き方改革が求められます

遅行系列:完全失業率(逆サイクル)の推移

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出典:e-Stat(政府統計の総合窓口)景気動向指数 個別系列の数値(%)

📊 このグラフのポイント

完全失業率は、景気が悪化してもすぐには上がらず、数か月〜半年遅れて上昇する傾向があります。 これは企業が業績悪化後もしばらく雇用を維持し、やがて人員整理に踏み切るためです。 景気動向指数では「遅行系列」に分類されています(逆サイクル=景気と逆方向に動く)。

  • 2020年のコロナ禍では、雇用調整助成金の効果もあり、失業率は3%程度にとどまりました
  • 諸外国と比べて日本の失業率は低水準で推移しており、労働市場は比較的安定しています
  • 中小企業の経営者は、失業率が低い=人材確保が難しい時期と読み替えることができます

データのポイント