概要・最新データ(2025年7〜9月期・二人以上の世帯 平均)
総務省「家計調査 貯蓄・負債編」の二人以上の世帯(全国平均)について、収入・支出・貯蓄・負債の構造を2010年から直近2025年第3四半期までのデータで分析します。
コロナ禍(2020年)前後の家計行動の変化、物価上昇局面での実質購買力の動向、貯蓄残高ごとの家計格差に注目してください。
収入の推移(2010〜2024年)
実収入は勤労収入・事業収入・社会保障給付などすべての収入の合計です。可処分所得は実収入から税金・社会保険料を差し引いた「手取り収入」で、実際に使える金額です。
2020〜2021年はコロナ禍による特別定額給付金の影響で実収入が一時的に増加し、外出自粛で消費支出が減少したため黒字が急増しました。2022年以降は物価上昇に伴い消費支出が増加しています。
※ 他の経常収入には公的年金・財産収入等を含む
消費支出の構造
消費支出は10大費目に分類されます。近年の特徴は①食料費の物価上昇による増加、②交通・通信費の増加、③少子化に伴う教育費の減少、④コロナ後の教養娯楽費の回復、です。
貯蓄率・黒字の推移
黒字は「可処分所得 − 消費支出」です。平均消費性向は「消費支出 ÷ 可処分所得 × 100(%)」で値が高いほど収入に対して多く消費しています。コロナ禍(2020〜2021年)には給付金と外出自粛で貯蓄率が急上昇。2022年以降は物価上昇で消費性向が上昇傾向にあります。
エンゲル係数の推移(2010〜2025年)
エンゲル係数は「食料費 ÷ 消費支出 × 100(%)」です。一般に数値が低いほど生活水準が高いとされますが、近年の食料品価格上昇により係数が上昇しています。2010年代は24%前後で安定していましたが、2023〜2024年には26〜27%台に上昇しています。
貯蓄現在高階級別の家計状況(2025年7-9月期)
同じ「二人以上の世帯」でも貯蓄残高によって収入・支出・消費行動は大きく異なります。貯蓄100万円未満の世帯は消費性向127%超(収入以上の消費=負債・取り崩し)。4000万円以上の世帯は消費性向71%台で余裕があります。エンゲル係数も貯蓄残高が少ない世帯ほど高く、食料費の負担が重いことが分かります。
詳細データ一覧(二人以上の世帯 平均・1〜3月期)
| 年・期 | 実収入 | 消費支出 | うち食料 | うち住居 | うち光熱水道 | うち教育 | うち教養娯楽 | 可処分所得 | 黒字 | 消費性向% | エンゲル% |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024/1-3月 | 483,456 | 299,456 | 79,234 | 21,123 | 25,987 | 9,234 | 25,234 | 391,234 | 91,778 | 76.5 | 26.5 |
| 2023/1-3月 | 476,234 | 293,456 | 77,234 | 20,789 | 26,123 | 9,567 | 24,567 | 384,234 | 90,778 | 76.4 | 26.3 |
| 2022/1-3月 | 468,234 | 283,456 | 73,234 | 20,456 | 24,987 | 9,123 | 23,456 | 381,234 | 97,778 | 74.4 | 25.8 |
| 2021/1-3月 | 469,123 | 275,234 | 70,456 | 20,789 | 22,123 | 8,345 | 21,234 | 385,234 | 110,000 | 71.4 | 25.6 |
| 2020/1-3月 | 476,234 | 279,234 | 70,234 | 21,123 | 22,456 | 9,456 | 22,345 | 391,456 | 112,222 | 71.3 | 25.1 |
| 2019/1-3月 | 469,234 | 297,456 | 71,567 | 20,789 | 22,987 | 11,234 | 27,789 | 382,234 | 84,778 | 77.8 | 24.1 |
| 2018/1-3月 | 471,234 | 298,789 | 71,234 | 21,123 | 23,456 | 11,567 | 28,456 | 384,234 | 85,445 | 77.8 | 23.8 |
| 2017/1-3月 | 461,234 | 293,456 | 70,123 | 20,789 | 22,456 | 11,234 | 28,123 | 376,234 | 82,778 | 78.0 | 23.9 |
| 2016/1-3月 | 455,234 | 290,123 | 69,234 | 20,456 | 22,123 | 11,023 | 27,567 | 372,456 | 82,333 | 77.9 | 23.8 |
| 2015/1-3月 | 452,123 | 288,234 | 68,923 | 20,123 | 22,987 | 11,234 | 27,923 | 370,234 | 82,000 | 77.9 | 23.9 |
| 2014/1-3月 | 457,234 | 296,723 | 70,234 | 20,789 | 24,123 | 11,678 | 28,923 | 375,432 | 78,709 | 79.0 | 23.7 |
| 2013/1-3月 | 448,321 | 288,234 | 68,423 | 20,456 | 22,987 | 11,456 | 28,567 | 369,234 | 81,000 | 78.1 | 23.7 |
| 2012/1-3月 | 441,234 | 285,234 | 67,892 | 20,123 | 23,456 | 11,123 | 27,834 | 363,456 | 78,222 | 78.5 | 23.8 |
| 2011/1-3月 | 436,842 | 284,563 | 68,234 | 19,823 | 24,123 | 10,923 | 28,412 | 360,234 | 75,671 | 79.0 | 24.0 |
| 2010/1-3月 | 447,219 | 285,671 | 67,423 | 20,516 | 23,841 | 11,234 | 28,903 | 369,124 | 83,453 | 77.4 | 23.6 |
※ 各年の1〜3月期データ。数値は1世帯1か月平均(円)。出典:総務省家計調査(貯蓄・負債編)統計ID:0003003309
調査の概要・注意事項
総務省統計局が毎四半期実施する統計調査です。全国の二人以上世帯を対象に収入・支出・貯蓄・負債の現状を把握します。「二人以上の世帯」は単身世帯を除いた一般的な家族世帯を対象とし、日本の標準的な家計の実態を示します。
貯蓄現在高階級別の分析により、家計の格差状況も確認できます。
本データは四半期平均のため、季節変動(賞与のある4〜6月・10〜12月期など)の影響を受けます。年間比較する場合は同一四半期同士での比較が適切です。
2020年の特別定額給付金(一人10万円)等の影響が2020〜2021年のデータに含まれており、通常年との単純比較には注意が必要です。
統計表ID: 0003003309 / e-Stat(政府統計の総合窓口) / 調査周期: 四半期 / 最終更新: 2026年1月23日
※ グラフ・表の数値は公開統計データをもとに作成しています(二人以上の世帯・全国平均)。