レポートの概要
「外貨準備」とは、国が保有する対外的な支払いに使える資産(外貨建ての証券・預金、金、IMF関連資産など)のことです。 為替介入の原資や、通貨の信認を支える“国の備え”にあたります。 このレポートでは、財務省が毎月公表する「外貨準備等の状況」から、2000年4月〜2026年6月の月次データをたどり、 総額の推移と、証券・預金・金・SDRといった中身(構成)の変化を可視化しました。
① 外貨準備 総額の推移(月次・2000〜2026年)
出典:財務省「外貨準備等の状況」(e-Stat 政府統計コード:00350500)
② 外貨準備の「中身」の推移(構成・積み上げ)
出典:財務省「外貨準備等の状況」(e-Stat 政府統計コード:00350500)
📊 このグラフのポイント
外貨準備の約7割は証券(米国債などの外貨建て債券)が占め、次いで預金が続きます。 近年の注目点は2つ。ひとつはSDR(IMFの準備資産)が2021年8月に急増したこと。これはIMFが加盟国へ一斉に配分した影響です。 もうひとつは金(ゴールド)の存在感が高まっていることで、保有量はほぼ一定なのに、金価格の高騰で評価額が大きく膨らんでいます。
- 証券が中核(直近で約72%)。運用の安全性・流動性を重視した構成です。
- SDRは2021年8月に約200億→約620億ドルへ急増(IMFの一般配分)。
- 金は保有量ほぼ横ばい(約27百万トロイオンス)でも、評価額は2020年の約465億ドルから2026年6月に約1,095億ドルへ。金価格の上昇がそのまま準備の“含み益”になっています。
③ 最新月の構成比
出典:財務省「外貨準備等の状況」(e-Stat 政府統計コード:00350500)
📊 このグラフのポイント
最新月の内訳を円グラフにすると、証券+預金の“外貨”部分で全体の8割超を占めることが一目でわかります。 残りを金・SDR・IMFリザーブポジションが分け合う形です。金のシェアが1割近くまで高まっているのが、近年の大きな変化です。
- 「外貨(証券+預金)」が中心=為替介入にすぐ使える“動かせるお金”が大部分。
- 金・SDR・IMF関連は、価格変動や国際的な取り決めで動く“準備の底堅さ”を担う部分です。
データから読み取れる3つのポイント
- 規模は世界トップクラスで安定。約1.3兆ドルの外貨準備は、通貨の信認と有事対応力を支える大きな“国の備え”です。
- 減り方に「介入の跡」が見える。2022年秋・2024年春の急減は、円安を止めるためのドル売り介入の結果とみられ、準備高は為替政策のバロメーターにもなります。
- 金の価値が静かに膨張。保有量が同じでも金価格の高騰で評価額が2倍以上に。中小企業にとっても、金・為替・金利の動きは仕入コストや資金繰りに直結するテーマとして注視したいところです。
※ 本レポートは財務省「外貨準備等の状況」(e-Stat)で公開されている時系列CSV(2000年4月〜2026年6月)を取得し、グラフ用に整形して掲載しています。
金額の単位は百万ドル(US$ millions)。「証券」「預金」は外貨(Foreign currency reserves)の内訳です。
📊 このグラフのポイント
日本の外貨準備は、2000年の約3,400億ドルから、2003〜2004年の大規模な円売り・ドル買い介入を経て一気に倍増し、 2011年以降はおおむね1.2〜1.4兆ドルの高い水準で推移してきました。 過去最高は2021年8月の約1.42兆ドルで、直近の2026年6月は約1.29兆ドルとピークからやや減少しています。