犯罪統計レポート 令和8年1〜4月

警察庁「犯罪統計資料」(2026年1〜4月)対前年比較・全15表の詳細分析

暫定値|2027年2月1日確定

📋 目次

全体サマリー

246,399
刑法犯 認知件数
▲ +6.3%(+14,589件)
96,513
刑法犯 検挙件数
▲ +5.9%(+5,345件)
39.2%
検挙率
▼ -0.1pt
64,887
検挙人員
▲ +7.5%(+4,514人)
8,277
うち少年
▲ +19.0%(+1,320人)

📊 全体の概況

2026年1〜4月の刑法犯認知件数は約24.6万件で、前年同期比+6.3%と増加が続いています。検挙件数・検挙人員も増加していますが、検挙率は39.2%でほぼ横ばいとなっています。

  • 特に知能犯(詐欺等)が+22.5%と大幅に増加しており、特殊詐欺の拡大が背景にあると考えられます
  • 少年の検挙人員は+19.0%と全体を上回る伸びで、若年層の犯罪対策が課題です
  • 中小企業にとっても、詐欺被害や窃盗被害の増加は経営リスクとなるため注意が必要です

出典:警察庁「犯罪統計資料(令和8年1〜4月分)」(暫定値)

第1表:刑法犯の年次推移(1〜4月累計)

📊 このグラフのポイント

2022年を底に、刑法犯の認知件数は4年連続で増加しています。2026年は約24.6万件に達し、コロナ禍前(2019年)の水準を超えました。

  • 2022年(約17.0万件)→ 2026年(約24.6万件)で、4年間で約45%増加しています
  • 検挙件数も増加傾向ですが、認知件数の伸びに追いついておらず、検挙率は低下気味です
  • 社会経済活動の回復に加え、SNSを利用した犯罪の増加が影響しているとみられます

出典:警察庁「犯罪統計資料」各年1〜4月累計

第1表:罪種別 認知件数と前年比

📊 このグラフのポイント

窃盗犯が約15.9万件と全体の64.5%を占め最多ですが、伸び率では知能犯が+22.5%と突出しています。

  • 窃盗犯は+2.9%と微増にとどまる一方、知能犯(主に詐欺)は+22.5%の大幅増です
  • 凶悪犯も+14.9%と増えており、不同意性交等(+19.0%)の増加が目立ちます
  • 粗暴犯は+13.2%で、脅迫(+26.6%)・恐喝(+28.9%)が特に増加しています

出典:警察庁「犯罪統計資料(令和8年1〜4月分)」第1表

第2表:窃盗犯 手口別の内訳

📊 このグラフのポイント

窃盗犯の内訳をみると、非侵入盗(万引きなど)が約8.9万件で全体の56.3%を占めています。

  • 非侵入盗は+3.7%と増加。万引きや自転車盗が含まれ、件数規模が最も大きい手口です
  • 乗り物盗は+4.8%と増加、特に自転車盗の被害が目立ちます
  • 一方、侵入盗は-8.9%と減少しており、防犯対策の効果が出ている可能性があります
  • 中小企業の店舗経営者にとって、万引き対策は引き続き重要な課題です

出典:警察庁「犯罪統計資料(令和8年1〜4月分)」第2表

第3表:地方ブロック別 刑法犯 認知件数

📊 このグラフのポイント

関東(東京含む)が約10.5万件で全国の42.6%を占め、次いで近畿(約4.9万件)、中部(約3.2万件)の順です。

  • 東京都は33,147件(前年比+10.8%)と全国で最も多く、増加率も大きい地域です
  • 中部は+14.3%と高い伸び率を示しており、警戒が必要です
  • 四国(6,372件)と北海道(6,589件)は件数が比較的少ない地域です

出典:警察庁「犯罪統計資料(令和8年1〜4月分)」第3表

第5表:重要犯罪・重要窃盗犯の内訳

重要犯罪(認知件数)

重要窃盗犯(認知件数)

📊 このグラフのポイント

重要犯罪は4,845件(+11.8%)と増加。不同意わいせつと不同意性交等で全体の7割超を占めます。

  • 不同意性交等は1,459件(+19.0%)で、2023年の刑法改正後も増加傾向が続いています
  • 重要窃盗犯は15,875件(-14.2%)と減少。特に自動車盗が-45.0%と大幅減です
  • 侵入盗(住宅対象)も-18.9%と減少しており、防犯カメラの普及等が奏功している可能性があります

出典:警察庁「犯罪統計資料(令和8年1〜4月分)」第5表

第7表:重要犯罪 被害者の年齢分布

📊 このグラフのポイント

重要犯罪の被害者は13〜19歳が1,463人で最多、次いで20〜29歳が1,290人です。若年層の被害が際立ちます。

  • 13〜29歳で全体の56.8%を占めており、SNS等を通じた被害の増加がうかがえます
  • 0〜12歳の子どもの被害も458人あり、略取誘拐・人身売買では45件に上ります
  • 中小企業の従業員教育でも、若年層の犯罪被害防止の啓発が重要です

出典:警察庁「犯罪統計資料(令和8年1〜4月分)」第7表

第8表:重要犯罪 被疑者の年齢分布

📊 このグラフのポイント

重要犯罪の被疑者は20〜29歳が979人で最多。14〜19歳の少年も517人と多く、前年から+24.6%増加しています。

  • 少年(14〜19歳)は強盗で173人(前年比+10.9%)と突出しています
  • 50歳以上の被疑者も増加傾向で、高齢者犯罪の問題も浮き彫りになっています
  • 中小企業では採用時のリスク管理や、若手社員への法教育の重要性が増しています

出典:警察庁「犯罪統計資料(令和8年1〜4月分)」第8表

第9表:街頭犯罪・器物損壊・住居侵入

67,382
主な街頭犯罪
▲ +6.4%
17,596
器物損壊
▲ +7.3%
3,366
住居侵入
▲ +2.8%
10.2%
街頭犯罪 検挙率
▼ -0.3pt

📊 このグラフのポイント

街頭犯罪は67,382件(+6.4%)と増加しており、検挙率は10.2%と低水準です。

  • 器物損壊は17,596件(+7.3%)で、店舗や自動車などの被害が含まれます
  • 住居侵入は3,366件(+2.8%)で、検挙率は51.5%と比較的高い水準です
  • 店舗型の中小企業は、防犯カメラの設置や夜間の見回り強化が有効な対策となります

出典:警察庁「犯罪統計資料(令和8年1〜4月分)」第9表

第10表:刑法犯 身柄措置別 検挙人員

📊 このグラフのポイント

検挙人員64,887人のうち、身柄不拘束(在宅事件)が45,530人(70.2%)と大半を占めます。

  • 通常逮捕は11,340人(+7.2%)で、逮捕による身柄拘束は全体の約30%です
  • 現行犯逮捕は7,330人(+4.1%)、緊急逮捕は687人(+7.2%)です
  • 在宅捜査が主流であることは、軽微な犯罪(窃盗・詐欺など)が多いことの表れです

出典:警察庁「犯罪統計資料(令和8年1〜4月分)」第10表

第11表:特別法犯 主要法令別 検挙件数

📊 このグラフのポイント

特別法犯の検挙件数は20,654件(+9.9%)と増加。薬物関連と犯罪収益移転防止法違反が目立ちます。

  • 麻薬等取締法は3,938件(+46.8%)と急増。大麻など薬物犯罪の深刻化がうかがえます
  • 覚醒剤取締法は2,631件(+7.3%)で依然として高水準です
  • 犯罪収益移転防止法は1,913件(+24.1%)。口座売買等のマネーロンダリング関連の取締りが強化されています
  • ストーカー規制法は552件(+45.3%)と大幅増加しており、社会的関心の高まりが背景にあります

出典:警察庁「犯罪統計資料(令和8年1〜4月分)」第11表

第12表:来日外国人による犯罪(国籍別)

📊 このグラフのポイント

来日外国人による検挙人員(刑法犯+特別法犯)は3,622人(前年比ほぼ横ばい)。アジア州出身者が全体の約78%を占めます。

  • 重要犯罪の検挙人員は143人(前年133人)、うちアジア州が105人です
  • 国籍別では中国が44人で最多、次いでベトナム等が続きます
  • インバウンド観光の増加に伴い、適切な防犯対策と多言語対応の充実が求められます

出典:警察庁「犯罪統計資料(令和8年1〜4月分)」第12〜13表

第14〜15表:暴力団犯罪

1,799
刑法犯 検挙件数
▼ -30.3%
1,072
特別法犯 検挙件数
▼ -10.1%
2,871
合計 検挙件数
▼ -23.9%

📊 このグラフのポイント

暴力団犯罪の検挙件数は合計2,871件(-23.9%)と大幅に減少しています。

  • 窃盗が790件(-22.1%)、詐欺が237件(-60.3%)と、主要罪種で軒並み減少しています
  • 暴力団排除条例の浸透や、暴力団構成員の減少が背景にあると考えられます
  • ただし殺人は16件(前年8件)と倍増しており、凶悪化の懸念も残ります
  • 中小企業は暴力団排除条例に基づく対応(契約書への排除条項記載等)を引き続き徹底することが重要です

出典:警察庁「犯罪統計資料(令和8年1〜4月分)」第14〜15表