METI ニュースリリース 2026.3.31 / キャッシュレス推進検討会とりまとめ

日本のキャッシュレス決済
最新動向レポート 2025

経済産業省が2026年3月31日に公表した「2025年のキャッシュレス決済比率」と、2025年12月の「キャッシュレス推進検討会とりまとめ」をもとに、決済手段別の内訳・主要ベンダーのシェア・今後の政府目標を図解でまとめました。

作成日:2026年7月8日 | 出典:経済産業省ほか
58.0%
キャッシュレス決済比率
(2025年・国内指標)
162.7兆円
キャッシュレス決済額
(2025年)
82.7%
うちクレジットカード
(134.6兆円)
10.2%
うちコード決済
(16.6兆円・急伸)

1. 2025年の全体像 ― 決済比率は58.0%へ

政府目標「2030年に65%」の達成に向け、堅調に上昇

経済産業省が2026年3月31日に公表した2025年のキャッシュレス決済比率は58.0%(162.7兆円)となり、堅調な拡大が続いています。日本人の消費のうち、およそ6割弱がカードやスマホ決済など「現金以外」で支払われている計算です。

なお2025年から、より消費者の実感に近い「国内指標」が正式な指標に変更されました。従来の「国際比較指標(持ち家の家賃相当分などを分母に含む方式)」では2025年は46.3%にあたります。指標が変わったため、単純な前年比較では見かけ上大きくジャンプして見える点に注意が必要です。

2つの指標の違い(かみくだき)
国内指標=持ち家の家賃相当分(約57兆円)などを分母から除いた、生活実感に近い分母で計算 → 数字は高めに出る(2025年:58.0%)
国際比較指標=これまで各国と比べるために使ってきた従来方式 → 2025年:46.3%

2. キャッシュレス決済比率の推移

2010年の約13%から、14年間で右肩上がりに拡大(下記は国際比較指標ベース)

2019年10月の「キャッシュレス・ポイント還元事業」や、コロナ禍での非接触ニーズを追い風に加速しました。グラフは連続性のある国際比較指標で示しています(2025年の国内指標58.0%は別指標のため点線マーカーで併記)。

3. 決済手段別の内訳(2025年)

主役はクレジットカード。しかしコード決済の伸びが際立つ

決済手段金額構成比
クレジットカード134.6兆円82.7%
コード決済16.6兆円10.2%
電子マネー6.0兆円3.7%
デビットカード5.5兆円3.4%
合計162.7兆円100%
キャッシュレス決済額の8割超はクレジットカードが占めます。一方で伸び率で見るとコード決済(PayPayなどのスマホQR決済)が最も勢いがあります。

4. 「電子マネー → コード決済」への移行が鮮明

2024年 → 2025年の構成比の変化

コード決済は9.6%→10.2%に拡大する一方、電子マネーは4.4%→3.7%に縮小しました(金額も6.2兆円→6.0兆円へ減少)。SuicaやWAONなどのプリペイド型電子マネーの役割を、チャージ不要で使えるスマホのコード決済が徐々に置き換えている構図です。

5. 主要ベンダーのシェア ― コード決済

PayPayが圧倒的トップ。上位4サービスで市場をほぼ独占

スマホのQRコード決済ではPayPayが突出し、利用者ベースで約3人に2人が使う状況です。取扱高でもPayPay単体で年間12.5兆円規模(2024年度)に達し、コード決済全体(16.6兆円)の大半を握ります。

サービス利用率
PayPay66.3%
楽天ペイ35.3%
d払い27.5%
au PAY20.1%
メルペイ ほか10%前後
※ MMD研究所調べ(2024年、複数回答の「利用しているサービス」割合)。合計が100%を超えるのは複数サービスの併用があるためで、金額シェアとは異なります。

6. 主要ベンダーのシェア ― クレジットカード国際ブランド

決済額の8割を占めるクレカ。ブランド別ではVisaが優位

キャッシュレスの主役であるクレジットカードを国際ブランド別に見ると、Visaが約5〜6割と最も広く使われ、次いで日本発のJCBMastercardが続きます。加盟店を選ぶ際は、この3ブランドに対応しておけば国内利用の大半をカバーできます。

国際ブランドシェア(目安)
Visa約50〜60%
JCB約20〜28%
Mastercard約15〜18%
Amex ほか数%
※ 各種民間調査(利用ブランドベース)による目安値。調査により幅があります。

7. 政府の新しい目標(2025年12月とりまとめ)

「2025年までに4割」を達成し、次は「80%」へ

キャッシュレス推進検討会のとりまとめでは、これまでの「2025年までに約4割」という目標を達成したことを受け、次の目標が示されました。
中間目標:2030年までに国内指標65%(国際比較指標では55%)
将来的な目標国内指標80%を可能な限り早期に達成

8. 中小企業への示唆

デジタル中小企業診断士の視点から

いま中小企業が押さえるべき3つのポイント

  • 「現金だけ」はもはや機会損失。消費の約6割がキャッシュレス。特に若年層・インバウンド客の取り込みには、最低でもクレカ(Visa/JCB/Mastercard)とPayPayへの対応が実質必須になりつつあります。
  • まず導入すべきはPayPay+クレカ。コード決済はPayPay一強のため、初期費用を抑えたい店舗はPayPayから。加えて決済額の8割を占めるクレジットカード対応を組み合わせれば、大半の需要をカバーできます。
  • 手数料と入金サイクルを「経営数値」で管理。キャッシュレス化はレジ締めの効率化・売上データ活用というメリットの一方、決済手数料や入金までの日数が資金繰りに効きます。導入は「売上への貢献」と「コスト・資金繰り」の両面で試算を。

出典・参考資料

・経済産業省「2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました」(2026年3月31日)
https://www.meti.go.jp/press/2025/03/20260331006/20260331006.html

・経済産業省「キャッシュレス推進検討会とりまとめ」(2025年12月)
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/cashless_promotion/pdf/20251226_2.pdf /概要版:003_03_00.pdf

・原データ出典:(一社)日本クレジット協会「クレジットカード動態調査」/日本銀行「決済動向」/(一社)キャッシュレス推進協議会「コード決済利用動向調査」
・ベンダー別シェア:MMD研究所「決済・金融サービスの利用動向調査(2024年)」、各社IR等の民間調査を基に作成

※ 決済比率・内訳の数値は経済産業省公表値。ベンダー別シェアは調査主体・集計方法により差があるため「目安」としてご覧ください。金額シェアと利用率(複数回答)は異なる概念です。