製造物責任(AI)とは
製造物責任(AI)とは、AIシステムに起因する損害について、誰がどのような責任を負うかという法的問題です。従来の製造物責任法(PL法)はハードウェア製品を想定して設計されており、ソフトウェアであるAIへの適用には多くの課題があります。
日本のPL法とAI
日本の製造物責任法は「製造物」を「製造又は加工された動産」と定義しており、ソフトウェア単体は対象外とされています。ただし、AIが組み込まれた製品(自動運転車、医療機器等)の欠陥による損害は、製造物責任の対象となり得ます。
EUの新たな動き
EUではAI責任指令(AI Liability Directive)が提案され、AIシステムに起因する損害について被害者の立証負担を軽減する枠組みが検討されています。具体的には、AI提供者に対する証拠開示請求権や、特定の条件下での因果関係の推定などが含まれています。
責任の所在の複雑さ
AIの責任問題が複雑なのは、AI開発者、モデル提供者、アプリケーション事業者、利用者という多層構造の中で、誰が損害の原因を作ったかの特定が困難なためです。また、AIの判断が確率的であり予測困難なこと、学習データに起因する問題の責任帰属なども課題です。