カーボンフットプリント(AI)とは
カーボンフットプリント(AI)とは、AIシステムのライフサイクル全体を通じて排出される温室効果ガスの総量を指します。モデルの訓練・推論・データセンターの運営・ハードウェアの製造・廃棄など、AIに関連するすべての活動から生じるCO2排出量を定量化する指標です。
AIのカーボンフットプリントの実態
大規模AIモデルの訓練は、大量のCO2を排出します。研究によれば、大規模なTransformerモデルの訓練は、自動車1台のライフサイクル全体の排出量の約5倍に相当するCO2を排出することがあります。さらに、モデルの開発過程では、ハイパーパラメータの探索のために何度も訓練を繰り返すため、実際の総排出量はさらに大きくなります。
カーボンフットプリントの測定
AIのカーボンフットプリントは、消費電力量(kWh)と電力の炭素強度(CO2/kWh)の積で計算されます。ただし、データセンターの場所(再生可能エネルギーの割合が異なる)、冷却効率(PUE:Power Usage Effectiveness)、ハードウェアの種類(GPUの効率差)などの要因により、同じ計算量でも排出量は大きく異なります。ML CO2 ImpactやCodeCarbonなどのツールで排出量を推定できます。
排出削減の取り組み
排出削減に向けて、再生可能エネルギーで運営されるデータセンターの利用、炭素強度の低い地域・時間帯での学習実行、効率的なモデル設計とハイパーパラメータ探索の最適化、事前学習済みモデルの活用、カーボンオフセットの実施などが行われています。AI開発における環境責任は、責任あるAIの重要な構成要素です。