H20事例3

2023年5月12日

多くはトシキさんの、受け売りですが、自分なりにも、事例について考えをまとめていければなあと思います。
平成20年事例Ⅲから。先週トシキ講義を聞いたので。
【事例のスタイル】
この事例は、第1問で、強みと、戦略が問われていた。
常々、SWOTは、最初にできるのは、SWOT仕分けだけで、
最終的に戦略を決めて、SWOT分析を確定するのだ!と言っていますが
第1問で戦略も決める必要があった。
つまり、第1問は間違いなく、最初にやってはいけない!
他の設問の状況を確認しながら対応しないと、
全体戦略と、個別戦略がアンマッチになることは間違いない。
【よくある解答】
ふぞろいでも、予備校でも多くの答案を読んだ。
多くの人は、全体を見越して解答を書いていない。
「既存客に対して、技術力・提案力をいかして、難易度の高い金型をグローバルで頑張る!」
まあ、このレベルの深さの解答なら、他の設問と不整合になる可能性は
逆に少ないのかも知れない。
戦略なんだから、何を誰にどのように、は明確にしたい。
 何を   : 難易度の高い金型
 誰に   : 既存顧客に
 どのように: 提案力を生かしてグローバルサポート
 よくある解答で、形式的には満たしている。でもこれでいいのか?
 減点は少ないかも知れないが、他の受験生と差別化して、点数をとることはできない。
 与件文の内容を、コピーして持ってきただけだ。
 「与件に忠実に!」とは、与件をコピーすることではない。
 与件に書いてある内容から外れずに、しっかり深く考えないと、忠実に対応したとは言えない。
【よくある解答の問題点】
 では、どうすればいいのか?
 先程のよくある解答では、全てにおいて具体性が欠けている。
 
  既存客って誰なの?
  難易度の高い金型って、具体的にはなんなの?
  提案力を生かすって、何を提案するの?
 今C社が取り組んでいる内容を、そのまま記載しているだけで、戦略になっていない。
 戦略が問われているときは、大半が成長戦略が問われている。
 中小企業診断士協会の求める診断士の要件にも「成長戦略が描けること」というのがある。
   →試験要領を確認してみて欲しい
 今の続きの戦略では、成長戦略を描いたことにはならない。
 しっかり、事業機会をつかんで、自社の強みを投入することで、
 成長できる戦略を描かないといけない
【事業機会】 
 いくつか機会があった。その中で重要だと思うのは、
  ・大型金型の生産要請
  ・有力企業に注文が集中する
  ・標準化・共通化の進展
【大型金型】 
 では、大型金型の生産要請は誰がしているのであろうか?
 既存取引先? まずそうだろう。
 では、既存取引先の中のだれか?
   日用品?
   電機メーカー?
   自動車メーカー?
 と考えると、自動車メーカー以外ありえないことに気づく。
 日用品での大型金型って想像しにくい。
 また、電機でも、C社は携帯電話中心だ。大型金型はないだろう。
 そうすると、自動車メーカーから大型金型の生産要請が来ているのわかる。
   (バンパーとかね)
 では、なぜ、有力企業に注文が集中するのだろう?
 自動車メーカーなら日産のゴーンさんの顔が浮かぶ。
 下請け先を有利な条件で絞り込んでいくためだ。
 そうすると、大型金型の要請を断ったり、
 様子見で、少しずつ対応していっていると、
 大型どころか、中型・小型まで切られる可能性が出てくる。
 ここまで考えていくと、戦略の方向性がやっと見えてくる。
  既存顧客は重視だが、電機、特に携帯は需要が下がっている。
  新車も停滞しているが、今後、大中小金型に対応することで、
   顧客シェアを高めることは可能だろう。
  戦略は、一例として以下のように描ける。
   顧客    : 自動車に特に注力
   何を    : 大型への対応で、大中小を提供
   どのように : 標準化・共通化の提案をしながら
     (ちょっと、長くなるのでグローバルの論点ははぶいた)
 戦略の、どのようにで、あっさりと、標準化・共通化への提案と書いた。
 基本的には、中小企業にとっては、標準化・共通化は敵になることが多い。
  独自性を発揮して、大手に対抗する戦略を描く場合が多い。
   しかし、今回C社は、規模は大きくないものの、一方の雄であり、
   金型ではリーダー企業になれる可能性、もうなっている可能性がある。
 そのため、標準化・共通化の提案を中心にすえた。
【1次知識の活用】 
 また、企業経営理論で、1次試験で出てくる自動車を思い出して欲しい。
  何の論点が多かったか?
   ほとんど、製品アーキテクチャアである。
  モジュール型とインテグラル型。自動車の優位性はインテグラル型の精度にある。
 今まで、C社は自社の責ではないが、取引先(自動車)の仕様変更に振り回されてきた。
 例えば、大型の金型の形状が変わったので、C社の中小小型の金型も変更してね!とかだ。
  これが、まさにすり合わせ。
   必要だけど、C社にとっては、影響も大きく、出来れば減らしたい!
 そんな中で、 大中小の金型の対応をC社が実施すると、
 少なくとも今まで必要だった
   大金型  ⇔  中小金型  の調整は減るはずだ。
 まとめて、C社で、標準化・共通化を提案して、コスト削減して、
 取引先(自動車メーカー)から、さらに有力メーカだと認めてもらって、
 さらに顧客内シェアを高めていけるはずだ!
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 考えすぎかも知れない。
 しかし、過去問分析するとはここまで考えることが必要だ。
 なんとなく、解答例を見て、納得しているだけでは、
 予備校の答練をうけているのと変わりない。
 本番ではないため、80分以上、何日でも考えてもいい。
 本番に向けた外段取りで、
 本番に使える武器を増やして欲しい。
  ポケットの中に、過去問から抽出したたくさんの論点が入っていれば、
   本番では、時間をかけずに、ポッケから引っ張り出してきて
    対応ができるはずだ。
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 こんなに、長くグダグダ書いて、誰か読んでくれるんだろうか。。
 トシキさん、たくさん、流用してすみません。
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Posted by tomoyamurakami